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COP29、「気候資金」協議が難航し延長 先進国・途上国とも成果文書草案に反発

産経ニュース / 2024年11月23日 10時5分

22日、報道陣に説明を行うCOP29議長国・アゼルバイジャンのラフィエフ首席交渉官(中央)=アゼルバイジャン・バクー(AP)

【バクー=小野田雄一】アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は、会期最終日の22日までに主要議題である来年以降の気候変動対策資金の枠組みを巡る議論がまとまらず、協議が延長された。議長国は23日にも成果文書の合意にこぎつけたい考えだが、先進国と途上国の対立は解消されておらず、予断を許さない状況だ。

各国は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」などに基づき、世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えるとの目標を設定。目標達成には世界全体での温室効果ガス(GHG)排出の削減などが不可欠だが、途上国は財政的な余力に乏しい。途上国の気候変動対策を支援する資金の確保が急務となっている。

22日に公表された成果文書の草案は、途上国向けの資金支援について、先進国は2035年までに年間2500億ドル(約38兆7千億円)の拠出を実現するとの目標を示した。世界全体では、官民合わせて年間1兆3千億ドル(約201兆円)の拠出を目指すべきだとした。

先進国は従来、25年まで年間1千億ドル(約15兆4700億円)を拠出することで合意していたが、COP29で新たな目標を確立することになっている。

22日に公表された草案について、先進国に毎年1兆ドル規模の拠出を求めてきた途上国は金額が少ないとして反発し、増額を求める構えだ。

一方、先進国はGHG排出量が世界1位の中国など裕福な途上国も資金拠出に参加させるべきだと主張してきたが、草案は「途上国に追加的貢献を要請する」と強制性のない表現にとどまった。先進国も拠出額の大きさを含めて草案に反発していると伝えられ、交渉はなお難航しそうだ。

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