「ガザを助けろ」 トラック数百台、イスラエルとハマスの停戦合意で支援物資搬入が本格化
産経ニュース / 2025年1月20日 16時22分
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦合意が発効した19日、パレスチナ自治区ガザに人道支援物資を搬入する動きが本格化した。ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所には物資を積んだトラックが長蛇の列を作った。運転手らは「早くガザの人々に届けたい」などと、入域許可を待ちきれない様子で話した。
産経新聞助手が19日、エジプト政府主催のプレスツアーに参加してラファ検問所を訪れ、取材した。
首都カイロからバスで8時間超走り、検問所の前に到着した。ゲートの前には確認できただけでも150台以上のトラックが並び、みな燃料や毛布、食料、おむつなどを満載していた。
「エジプトの非政府組織(NGO)による支援物資の小麦粉40トンを積んで、10日前から待っている」。検問所の近くで会った運転手のアハメドさん(26)はそう話し、「1年以上も流血の侵略に苦しめられ、困窮しているパレスチナ人に必要な物資を運べることを、エジプト人として誇りに思う」と続けた。
ガザと境界を接するエジプトはイスラム教徒が人口の9割を占め、ガザの人々への同胞意識が強い。イスラエルのガザ攻撃を受け、米国企業の製品に対する不買運動も起きた。
エジプト政府によると、この日は330台のトラックが、ラファからイスラエルの管理するケレムシャローム検問所に向かった。ロイター通信によると、バイデン米大統領は「トラック数百台が市民を助けるためにガザに入った」と述べた。
ガザの人口は推定220万人。報道によると、戦闘期間中には10日間でトラック9台しか入域できないときもあった。国連は一時、必要な物資の9%しか届いていないと推計した。
ガザに向かった運転手は電話取材に、「イスラエルは以前、車体や積載物資をすべて検査していたが、きょうは簡易になっている」と話した。
負傷してエジプトの病院で治療を受けていたというガザ出身のカメラマン、アリさん(30)は「両親と2人の兄弟はイスラエル軍に爆撃されて死亡した。ハマスは今もガザでは人気がある。ハマスに拘束されていた人質の居場所を住民が漏らさなかったことが、それを証明している」と話した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
停戦開始で8か月ぶり検問所再開、援助物資を載せたトラック330台がガザへ…解放3女性は健康
読売新聞 / 2025年1月20日 20時19分
-
ガザ停戦合意に基づき初の人質解放、ニュース映像を数千人見守り歓声…イスラエル人の女性3人解放
読売新聞 / 2025年1月20日 10時47分
-
ガザ支援搬入「ほっとした」=エジプト境界にトラックの列
時事通信 / 2025年1月20日 5時30分
-
ガザ停戦、約3時間遅れで発効 ハマス人質リスト巡り混乱 イスラエル軍攻撃で8人死亡
産経ニュース / 2025年1月19日 19時37分
-
イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意=19日発効、戦闘6週間停止―1年3カ月で死者4.6万人
時事通信 / 2025年1月16日 10時51分
ランキング
-
1中国、事件発生から2カ月余りで死刑執行 珠海で35人死亡の車暴走と無錫の8人切り付け
産経ニュース / 2025年1月20日 16時48分
-
2人質解放、歓喜するイスラエル市民=帰還の3人、涙流し家族と抱擁
時事通信 / 2025年1月20日 8時28分
-
3人質帰還を喜ぶテルアビブ市民、パレスチナ人釈放には「テロリストが野放しになる」と反対論も
読売新聞 / 2025年1月20日 18時52分
-
4インドネシア大統領、支持率81% 無料給食など評価
ロイター / 2025年1月20日 15時47分
-
5尹大統領、弾劾審判出席へ 捜査当局、連行できず
共同通信 / 2025年1月20日 23時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください