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G7サミットが開幕 「広島」の成果継承・発展へ 岸田首相、グローバルサウスも意識

産経ニュース / 2024年6月13日 21時8分

【ファサーノ(イタリア南部)=千葉倫之】岸田文雄首相は13日、イタリアで開幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)の初日の討議に臨んだ。一連の日程を通じ、昨年5月の広島サミットの成果の継承、発展を目指す。「法の支配」の維持強化とともに、中露も浸透を強めるグローバルサウス(GS)諸国との連携強化が大きなテーマになる。ウクライナ情勢では同国への支援のほか、中国によるロシア支援への対策が議論の焦点だ。

首相は2月、イタリアのメローニ首相と官邸で会談し、議長国の「引き継ぎ」を行っている。政府関係者は「法の支配とGSという問題意識が全く一致していた」と明かす。両国間のすり合わせを経て、今回の議題はインド太平洋、経済安全保障、人工知能(AI)など、多くが広島の成果を踏まえた内容となった。

メローニ氏は今回の冒頭セッションで、慣例の世界経済ではなく「アフリカ」などを議題に設定した。欧州ではアフリカなどから押し寄せる移民、難民への対応が深刻な課題となっているためだ。首相は平成5年から日本主導で開催しているアフリカ開発会議(TICAD)に言及し、貢献をアピールする。

アフリカ難民の問題は日本とは縁遠いようだが、メローニ氏は開発支援で貧困など難民化の根本原因に対処するアプローチを掲げており、TICADの理念とかみ合う。政府関係者は「相手に目線を合わせた支援を30年やってきた。日本の哲学に他国がようやく追いついてきた」と語る。TICADは来年8月にも横浜での開催が控える。

GSや途上国は「上から目線」や価値観の押し付けに敏感だ。共通のルールで大国も小国も等しく律する「法の支配」を外交の基軸に据えるのは、GSを引き寄せるためでもある。

ウクライナ支援をめぐり、首相は2月に「経済復興推進会議」を都内で開催し、地雷除去や農業など7分野での支援を打ち出した。サミットでも支援継続を表明し、法の支配を揺るがすロシアの侵略を容認しない決意を改めて示す。

2日目はインド太平洋や経済安全保障が議題となる。中国が軍事転用可能な物資をロシアに輸出している問題が焦点だ。首相は中国企業を念頭に、物資を提供した海外の企業、団体に追加制裁を科す方針を表明する方向で調整している。

AIをめぐっては、首相は昨年のサミットで「広島AIプロセス」を立ち上げ、国際ルール作りを主導した。ただ、同じく広島の「レガシー(遺産)」である核軍縮は今回、議論の機運は乏しい。

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