ロシアを退けたアフリカ諸国 国連安保理改革で見せたパワー、中国圧力にもひるまず アイ・ラブ・ニューヨーク
産経ニュース / 2024年10月11日 7時0分
国連安全保障理事会について、「改革の緊急の必要性」を首脳レベルで初めて明記した「未来のための協定」の国連総会での採択の成否は予測できなかった。グテレス事務総長は①交渉決裂②採択延期③採択成功-の3種類の演説原稿を持って議場に入ったと聞く。
採択に難色を示したのは、安保理の常任理事国でありながらウクライナへ侵攻し、安保理の対露非難決議案に拒否権を行使して、改革機運を高める契機を作ったロシア。「反対のための反対」と批判されたロシアを押し切り、協定案を採択へと導く原動力となったのはアフリカ諸国だった。
交渉筋によると、カメルーン前首相のヤン国連総会議長は採択前夜、緊急会合を招集し、ロシアに寄り添う中国の圧力にもひるまず、協定案は「可能な限り広範な合意」を得ているとして修正協議の打ち切りを告げた。ロシアのさらなる修正要求を退け、議場の総意による採択にロシアを従わせたのは、アフリカ54カ国の即時採択を求める立場を訴えたコンゴ共和国代表の演説だったとされる。
採択にはアフリカ諸国と連携して交渉を進めた先進7カ国(G7)の貢献も大きい。そうは言っても、途上国中心のアフリカ諸国が大国ロシアを押さえ込む場面は、各国が平等に一票を持つ総会が舞台でなければ見られまい。(平田雄介)
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