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新たに脚光浴びた歴史問題「浮島丸爆沈」 日韓会談直前に名簿提出、友好の証か隠蔽の証拠か

産経ニュース / 2024年9月7日 17時44分

【ソウル=桜井紀雄】日本政府は6日の日韓首脳会談の前日、終戦直後に多くの朝鮮人労働者を乗せて沈没した「浮島丸」の乗船者名簿を韓国政府に提出した。韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下の日韓関係改善を受けた動きと肯定的に評価される一方、「79年間も名簿を隠蔽してきた」として日本に謝罪を求める声も上がる。

日韓関係改善の副産物といえ、新たに脚光を浴びることになった「歴史問題」として、逆に尾を引く可能性が出てきた。

韓国大統領府高官は6日、「改善された韓日関係の流れの中で日本が過去より積極的かつ誠意を持って応じている」と日本の対応を評価。真相究明や遺族への慰労金支給のための裏付けに活用し得るとの見方を示した。

旧日本海軍の輸送船「浮島丸」は1945年8月24日、青森県から朝鮮半島の釜山(プサン)に向かう途中、京都府の舞鶴港に寄港しようとした際に爆発、沈没した。日本政府は朝鮮人乗船者524人が死亡し、米軍の機雷への接触が原因だとしてきた。これに対し、韓国では「日本が故意に爆破し、3000人以上が死亡した」との疑惑が根強く持たれてきた。

日本政府は名簿の存在を認めてこなかったが、情報公開請求を受け、今年になって開示した。名簿と名の付く資料約75件のうち、精査を終えた19件を韓国に提出した。

韓国の元徴用工らの支援団体は6日、浮島丸沈没は「集団虐殺事件であり、79年間も名簿すら隠してきた反人道戦争犯罪だ」と非難した。真相究明や補償を求める声が高まれば、韓国で「親日屈辱外交」と尹政権を批判する野党や市民団体が、この問題を巡って尹政権や日本への追及を強める可能性も否定できない。

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