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ロシア、多分野の協力深化をアピール 国防、宇宙、エネルギー責任者がずらり同席

産経ニュース / 2024年6月19日 21時19分

【ソウル=桜井紀雄】ロシアのプーチン大統領は19日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と平壌で行った会談に、エネルギーや宇宙開発部門の責任者を同席させ、多様な分野で協力を深化させる姿勢をアピールした。北朝鮮はプーチン氏の訪朝を国内向けに大々的に宣伝し、金氏の外交実績として誇示しようとした。ただ、露朝の協力が逼迫(ひっぱく)した国内状況の打開にどこまで貢献するかは未知数だ。

19日に平壌で開かれた拡大首脳会談では、プーチン氏の両脇に国防相や外相のほか、エネルギー部門の副首相や天然資源環境相、国営宇宙開発企業、ロシア鉄道の両トップら13人もの同席者がずらりと並んだ。金氏側の同席者6人の倍以上だ。

なかでも国営宇宙開発企業ロスコスモスのボリソフ社長は、昨年9月に露極東のボストーチヌイ宇宙基地を訪れた金氏を案内し、ロケット技術に関する説明をした人物だ。軍事偵察衛星の開発など、金氏が最も力を入れる宇宙開発分野でプーチン氏が引き続き協力を惜しまないとのメッセージを込めたと読み取れる。

一方、プーチン氏の北朝鮮到着は19日午前3時近くという、首脳の国賓訪問として礼を失するほどの異例の時間帯となった。それでも金氏は自ら満面の笑みで空港で出迎えた。北朝鮮住民が目にする党機関紙の労働新聞は同日付の1、2面で「勝利と栄光に輝く不敗の朝露親善」などとプーチン氏到着を大々的に伝えた。

金氏が傾注した米首脳との交渉は2019年のベトナムの会談で決裂した。新型コロナウイルスの世界的流行に伴う20~23年の国境封鎖で北朝鮮は経済的にも外交的にも閉塞(へいそく)状態が続いた。昨年9月の露極東での会談でコロナ禍後最初の外交的宣伝材料を金氏にもたらしたのは、プーチン氏だった。

今回のプーチン氏訪朝でも北朝鮮は最高指導者の外交実績として露朝協力を最大限国内向けに活用しようとする思惑がうかがえる。ただ、北朝鮮にとってロシアとの交易量は対中国に比べてはるかに少ない。露朝首脳外交が北朝鮮住民の閉塞感解消に実際の効果をもたらすかは疑問も残る。

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