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韓国文化が脱北を後押し 韓国統一研究院の韓東昊(ハン・ドンホ)先任研究委員

産経ニュース / 2024年8月6日 10時0分

韓国統一研究院の韓東昊先任研究委員(本人提供)

韓国政府傘下の政策研究機関「統一研究院」の韓東昊(ハン・ドンホ)先任研究委員が産経新聞に寄稿した。北朝鮮住民にとり、韓国文化の流入が脱北の重要な要因になっている一方、北朝鮮の弾圧強化や中国による強制送還で人権状況が悪化していると指摘した。(石川有紀)

少年期を海外で過ごした金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、就任初期にはミッキーマウスをまねたキャラクターを北朝鮮内で作るなど海外文化を導入し、開放的な指導者像を演出していた。だが、今は韓流をこれまでになく警戒し、抑圧している。

北朝鮮の住民にとって、韓国文化は言葉の障壁がなく、民族共有の情緒的共感があり、外部の自由世界に対する好奇心や憧れを呼び起こす。だが、自由の雰囲気が北朝鮮社会を支配すれば、政権の終末につながる。それをよく理解している金氏は、住民を統制するため韓流を遮断し排斥しようとしている。

韓国文化の視聴や流布を禁じようと、2020年には「反動思想文化排撃法」、23年には「平壌文化語保護法」が制定された。2つの法律の狙いは、韓国からの「自由の機運」を止めることだ。例えば、平壌文化語保護法によれば、韓国の言葉遣いをまねたり流布したりすることは、国家に対する反逆を意味し、(死刑などの)重い処罰の対象になる。

しかし、現在の北朝鮮の青年世代は、最高指導者に従順だった父母世代とは完全に異なる。最近の若い北朝鮮離脱住民(脱北者)は北朝鮮にいた当時、流入した多くの韓国ドラマを通じ自由が何なのか理解したと証言している。韓国統一省の調査では、北朝鮮住民の83%が韓国ドラマを見た経験があり、脱北の重要な要因になっている。

ただ、自由を求め中朝国境の川を渡った北朝鮮住民たちは、さらなる抑圧に出合う。中国公安の取り締まりと北朝鮮への強制送還だ。中国政府の脱北者に対する政策は数十年間変化がない。脱北者を尊厳ある権利と自由をもった個人として認めず、不法移民として扱っている。

強制送還された北朝鮮住民は国家の反逆者として扱われ、拷問や非人道的処遇を受け、死刑にまで至る。中国の脱北者強制送還は、自由と人権を剥奪する行為だ。中国の国際的地位を弱体化させる要因ともなるだろう。

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