北朝鮮、超大型弾頭実験に成功したと報道 韓国軍は「失敗を隠す欺瞞」との見方
産経ニュース / 2024年7月2日 17時37分
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、同国のミサイル総局が1日に「4・5トン級の超大型弾頭」を搭載した新型戦術弾道ミサイル「火星11タ4・5」の発射実験を「成功裏に実施した」と伝えた。
模擬弾頭を使い、最大射程500キロと最小射程90キロに分けて飛行安定性や命中精度を確かめたとしている。ミサイル総局は今月中に射程250キロで超大型弾頭の爆発威力を実証する発射実験を行うと予告した。
北朝鮮は超大型弾頭に関し、巡航ミサイル用の実験を公表したことはあるものの、戦術弾道ミサイルでの発射実験を明らかにするのは初めて。北朝鮮は2021年からの国防5カ年計画で超大型核弾頭の生産を重点目標に掲げている。
「KN23」とも呼ばれる「火星11」系列の短距離弾道ミサイルについては、北朝鮮がロシアに供与し、ウクライナの戦場でも用いられているとされる。今回の報道は、弾頭やミサイルの改良が計画に沿って進んでいるとロシアなどにアピールする思惑もありそうだ。
韓国軍は、北朝鮮が1日に火星11とみられるミサイル2発を発射したが、2発目は約120キロしか飛ばず、失敗した可能性があると分析。北朝鮮の今回の報道は失敗を隠す「欺瞞」との見方を示した。2発目の残骸は平壌に近い民家のない平地に落ちたとみている。
韓国陸軍は2日、南北軍事境界付近での陸上砲撃訓練を約6年ぶりに再開した。韓国が北朝鮮との軍事合意の効力の全面停止を決めたことに伴う措置。6月26日には島嶼部での海上砲撃訓練を再開しており、南北間の緊張は一層高まりそうだ。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮労働党や政府の重要政策を決める党中央委員会拡大総会は1日に閉会した。6月28日に始まり、金正恩総書記は経済政策の成果を強調。軍事面での方針も示したとしているが、詳細は伝えられなかった。
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