韓国で繰り返される「後知恵の歴史観」 悪漢・全斗煥将軍から日本統治時代の悪評まで ソウルからヨボセヨ
産経ニュース / 2024年10月5日 7時0分
韓国で最近最もヒットした映画に『ソウルの春』がある。日本でも公開されたが中身は典型的な政治ドラマだ。1979年の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件後に起きた「12・12事件」と称される軍内部の権力闘争を背景に、新軍部の代表格で後に大統領になる全斗煥(チョン・ドゥファン)将軍(当時、暗殺事件の合同捜査本部長)を憎々しい悪漢として描いていて興味深い。
実は今年、もう一つ同じ時代を扱った映画『幸せの国』があった。朴大統領暗殺事件の犯人である側近の中央情報部長の部下で、上司とともに死刑になった軍人の弁護士が主人公。この弁護士と合同捜査本部長の全将軍の対決というドラマで、こちらも全氏が悪逆非道の悪者に描かれている。
韓国ではこうした実在の人物が登場する政治ドラマが好まれるが、今回の2つの映画で共通して強調されているのが全将軍の政治的野心。歴史的には、翌年春の政治的混乱から新軍部は光州事件(80年5月)鎮圧などを経て結果的に政治を担うことになるのだが、映画はこの結果を基に全氏を当初から権力に野望を抱いた人物に仕立てている。
これは韓国でよくあるいわば「歴史の後知恵」である。日本統治時代の評価や慰安婦・徴用工の実態もそうだが、当時のあるがままの実情抜きに、すべて後からの考えで日本が悪者になっている。(黒田勝弘)
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