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韓国大統領の拘束令状執行「中止」 警護隊と5時間半にらみ合い 尹氏の態度に「遺憾」

産経ニュース / 2025年1月3日 14時55分

【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が宣布した「非常戒厳」について捜査している捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」の捜査員らは3日朝、内乱首謀などの容疑による尹氏の拘束令状の執行に向けてソウル市内の大統領公邸に入った。だが、大統領警護処の要員らに建物への立ち入りを阻まれ、公捜処は同日午後、「令状執行は不可能だと判断した」とし、執行の中止を表明した。

韓国で現職大統領に対し、捜査当局が拘束令状の執行を試みるのは初めて。大統領には不訴追特権があるものの、内乱罪は例外となっている。捜査員と警護部隊によるにらみ合いは約5時間半に及んだ。

公捜処は、警護処要員らとのにらみ合いで、捜査員らの「安全が懸念された」と指摘。尹氏に対し、「法に基づく手続きに応じない被疑者の態度に深い遺憾の意を表する」と批判した。

拘束令状の執行期限は6日まで。公捜処は「今後の措置については検討した上で決定する」としている。尹氏の弁護団は3日、令状は「違法、無効」だと改めて主張。執行されれば、法的措置を取ると強調し、徹底抗戦の構えを見せている。

昨年12月に国会の弾劾訴追を受けて職務停止中の尹氏は公邸にとどまり、大統領としての警護を受けている。

公捜処と合同で捜査本部を構成する警察の関係者によると、公邸に向かったのは公捜処の捜査員と警察官の計約150人で、そのうち約80人が3日午前8時過ぎに敷地内に入った。捜査員らはまず敷地内に配置された軍部隊の阻止は振り切ったものの、公邸の建物前で警護処の要員らとにらみ合いを続けた。警護処は大統領警護に関する法律を盾に建物内への立ち入りを拒んだという。

公邸前には、尹氏の支持者らが2日から大勢集まり、弾劾や令状執行に反対するデモを夜通し繰り広げた。警察は機動隊員約2700人を周囲に配置。デモ隊との衝突に備えた。

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