スポーツか進学か ソウルからヨボセヨ
産経ニュース / 2024年8月21日 7時0分
日本がメダルラッシュに沸いたパリ五輪では、韓国もアーチェリーや射撃、フェンシングで多くのメダルを取り、沸き立った。中でも人気を集めたのが、卓球女子団体と混合ダブルスで2つの銅メダルを獲得、卓球女子として韓国に16年ぶりのメダルをもたらした申裕斌(シン・ユビン)選手(20)だ。
試合の合間ごとにバナナをほおばる愛くるしい笑顔が話題となる一方、中学卒という最終学歴も注目された。申選手は卓球に専念したいと高校進学を諦めて実業団チームに入った。一部生徒が大会や練習を優先して授業を欠席することをどこまで認めるべきかなど、学業と選手の両立の難しさは度々議論を呼んできた。
韓国で記者もスポーツ歴を聞かれ、「中学で卓球をしていた」と答えると、「選手だったのか」とよく聞き返された。部活動にすぎなかったが、韓国では受験勉強の妨げとみなされる部活を中学や高校で続ける生徒は少ない。それで「選手」を目指していたと誤解されたのだ。学業かスポーツかの二者択一を迫られる厳しい競争社会で「日本のアニメで見た部活に憧れた」と話す韓国人も多い。
韓国では五輪のたびにスポーツ熱に沸き返るのだが、「子供たちが勉強と一緒にスポーツに打ち込める環境をつくろう」といった議論はいま一つ盛り上がらない。(桜井紀雄)
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