1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. アジア

韓国大統領、「非常戒厳」宣布時に報道機関封鎖を指示 〝実行役〟司令官と弾劾審判で対峙

産経ニュース / 2025年2月4日 18時41分

【ソウル=桜井紀雄】韓国で「非常戒厳」宣布を巡る内乱首謀罪で起訴された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免の可否を決める憲法裁判所の弾劾審判の第5回弁論が4日、開かれた。戒厳時に国会などに軍部隊を展開させた司令官らへの証人尋問が行われ、出廷した尹氏と対峙(たいじ)した。一方、尹氏が戒厳時に報道機関の封鎖を指示していたと、検察が尹氏の起訴状に明記していたことも明らかになった。

証言台に立ったのは、李鎮雨(イ・ジヌ)首都防衛司令官ら昨年12月3日夜の戒厳で部隊を指揮するなどしたとして、内乱重要任務従事などの罪で起訴された軍幹部や、情報機関の前幹部だ。

李鎮雨氏は尹氏から直接電話で、国会の議場から議員らを「担ぎ出せ」と指示されたと供述するなど、戒厳解除に向けた国会の活動を妨害したとする尹氏の違憲容疑を裏付けるキーパーソンとされる。だが、自身の刑事裁判に影響する恐れがあるとして、質問の大半について答弁を拒否した。

尹氏は直接発言し、議場周辺に「数百人がいた中、可能なことか」と反論。「実際には何も起きなかった」と述べ、議員らの排除指示を改めて否認した。

日本メディア被害の可能性も

一方、3日に公開された尹氏の起訴状によると、尹氏は戒厳宣布当夜、大統領執務室で、警察や消防を統括する李祥敏(イ・サンミン)行政安全相(当時)に文書を示し、いずれも革新系紙のハンギョレと京郷新聞、テレビ局のMBCとJTBC、世論調査会社の計5社を封鎖し、消防に電気や水道を止めさせるよう指示したという。

李祥敏氏は消防庁長官に電話で、警察から要請があれば措置を取るよう指示したとされる。対象の5社は尹政権に批判的な論調で知られる。措置は実行されなかったものの、これらの新聞社やテレビ局には日本の報道機関の現地支局も入居しており、封鎖されていれば、日本メディアにも被害が及んだ可能性がある。

尹氏は金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相に、戒厳時に軍幹部を中心に兵力を投入する場合の動員可能規模を尋ね、金氏が「1000人未満」と答えると、「その程度なら国会と選挙管理委員会に投入すればいい」と話したともいう。金氏は弾劾審判で尹氏は250人ほどの少数の兵力だけ投入するよう指示したと陳述しており、食い違う。今後の弾劾審判や刑事裁判で争点となりそうだ。

尹氏の弁護団は4日、勾留の取り消しをソウル中央地裁に申し立てた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください