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ベネズエラの〝鉄の女〟、「マドゥロ大統領勝利」抗議デモの先頭に 大統領選から1カ月

産経ニュース / 2024年8月29日 9時38分

「鉄の女」の異名を持つマチャド元国会議員が先頭に立って抗議集会に参加した=28日、ベネズエラ(AP)

南米ベネズエラの大統領選から1カ月が経過した28日、野党側は、不正集計の疑いが浮上した選挙管理当局による「マドゥロ大統領勝利」を認定した最高裁などに抗議する集会を各地で開いた。「鉄の女」の異名を持つ指導者マリア・コリナ・マチャド元国会議員(56)が先頭に立ち、独裁色を強めるマドゥロ政権に退陣を迫ったが、政権交代の実現は難しくなっている。

マチャド氏は、マドゥロ氏が大統領に就任した2013年、「自由」を掲げて発足した政治団体「ベンテ・ベネズエラ」の創設メンバー。昨秋の予備選で約9割の票を得て野党統一候補となった。しかし、マドゥロ氏の影響下にある最高裁は「汚職に関与した」としてマチャド氏を公職から追放。マチャド氏は、自らの出馬を断念し、今年7月の本選では元外交官のゴンザレス氏の支援に奔走した。

マチャド氏は、大統領選の結果について、野党側が全国3万の電子投票機の8割超から回収した開票記録に基づき、得票率67%のゴンザレス氏が、同30%のマドゥロ氏に勝利したと訴える。28日は首都カラカスの抗議集会で、「世界がベネズエラの声を聞いている」と支持者に訴え、政権交代の実現を呼びかけた。

これに対し、治安当局は28日、マチャド氏と一緒に集会に参加した野党側の幹部ピリエリ氏を逮捕。既にマチャド氏の警護責任者や弁護士も逮捕しており、マチャド氏への圧力を強めている。マチャド氏自身も、軍の離反を呼びかけたとして、ゴンザレス氏とともに捜査対象となっている。

米欧は、大統領選の詳細な票の集計結果の開示をベネズエラ選管に求めるなど間接的にマチャド氏を支援してきた。デルピノ選管委員は27日付の米紙で、集計不正を告発し、「マドゥロ氏の勝利を裏づける証拠は不足している」と訴えた。投票終了後に立会人が追い出されたり、電子投票機から開票記録を送信する作業が中断されたりしたという。

ただ、ロシアや中国を後ろ盾とするマドゥロ氏が動じる様子はなく、3期目へ強権支配を固めている。27日の閣僚人事で、警察を所管する内相に軍出身のカベロ氏を起用し、法相を兼任させた。人権団体は「さらなる弾圧」を懸念。抗議デモの死者は少なくとも27人、拘束された政治犯は約1780人という。(ニューヨーク 平田雄介)

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