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ベネズエラ大統領選、投票締め切り マドゥロ氏劣勢で野党封じ込めの恐れ

産経ニュース / 2024年7月29日 12時20分

南米ベネズエラの大統領選は28日、投票の締め切り時刻を迎えた。3選を目指し独裁色を強めるニコラス・マドゥロ大統領(61)の劣勢が伝わる中、政権側が野党の封じ込めを図る恐れがあり、民主主義国は公正な選挙を求めて事態の推移を注視している。

大統領選はマドゥロ氏と野党連合が擁立した元外交官エドムンド・ゴンザレス氏(74)の事実上の一騎打ち。米非営利法人(NPO)「アメリカ評議会」によると事前の複数の世論調査の支持率はゴンザレス氏が34~59ポイントの大差で優勢。他方、ベネズエラの政府系メディアはマドゥロ氏の支持率を53%と報じた。

ロイター通信によるとマドゥロ氏は28日朝、首都カラカスで投票を済ませた後、開票結果は「軍と警察が承認し、守られる」と語った。ベネズエラ軍は2013年の大統領就任後に強権化したマドゥロ氏を支持してきた。今回も、軍指導層がマドゥロ政権から離反する兆候はないという。

マドゥロ氏は16日、自らが敗北すれば「血で血を洗う内戦」に陥ると語り、武力で政権移行を拒むのではないかとの疑念を抱かせた。南米の地域大国ブラジルのルラ大統領は22日、「恐ろしい」と不快感を示し、「選挙に負ければ(大統領の座から)去らなければいけない」と呼びかけた。米政府高官は制裁緩和を示唆し、マドゥロ氏に公正な選挙の実施を促した。

他方、マドゥロ政権の後ろ盾ロシアは30日までの予定で、カリブ海を挟んでベネズエラに面するキューバに艦艇3隻を派遣した。民主主義国によるベネズエラ大統領選への介入を牽制(けんせい)する形となった。(平田雄介)

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