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ベネズエラ大統領選、現職マドゥロ氏「勝利」と選管 野党や米・チリなどは疑問視

産経ニュース / 2024年7月29日 19時4分

ベネズエラ大統領選での勝利発表を受け、支持者の前で演説するマドゥロ大統領=29日、カラカス(AP)

南米ベネズエラの大統領選が28日投開票され、選挙管理当局は29日、現職のニコラス・マドゥロ大統領(61)の勝利を発表した。事前の世論調査で優勢だった野党連合の元外交官エドムンド・ゴンサレス氏(74)は発表に異議を唱え、自らの勝利を主張した。選管はマドゥロ氏の影響下にあり、米国やチリなどが発表を疑問視している。

選管、集計結果発表せず

AP通信によると、選管当局が発表した得票率はマドゥロ氏が51%、ゴンザレス氏が44%。野党連合は、投票所に配置したスタッフからの集計報告としてゴンザレス氏の「圧倒的勝利だ」と反論した。ゴンザレス氏は「国民と全世界が何が起きたのか知っている」と演説し、不正が行われたとの認識を示した。

選管当局は、全国各地の投票所の集計結果を「マドゥロ氏勝利」と同時に発表せず、発表内容の信憑性(しんぴょうせい)に疑問の余地を残した。

南米チリのボリッチ大統領は、ベネズエラ選管の発表内容は「信じがたい」とし、チリとして「検証不能な結果を承認することはない」と述べた。米国のブリンケン国務長官は、訪問先の東京で「深刻な懸念」を表明し、選管発表は「ベネズエラの人々の意思を反映していない」と語った。

マドゥロ氏は、首都カラカスで演説し、2013年と18年に続く「3選」を支持者と祝った。支持者の多くは、マドゥロ氏をカリスマ的人気を誇った反米左派の故チャベス前大統領の後継者とみなしている。

抗議デモなら武力鎮圧か

マドゥロ氏は、13年のチャベス氏死去後の大統領選で勝利した後、自身と与党に権力を集中させてきた。18年の前回選は有力な野党候補を排除した上で再選を果たした。野党側は選挙無効を訴え、国会議長のグアイド氏が暫定大統領の就任を宣言。米国などがグアイド氏を大統領として承認した一方、ロシアや中国はマドゥロ政権を支援した。

マドゥロ氏は、今回の選挙戦でも野党連合の当初の統一候補を立候補断念に追い込んだ。自らの劣勢が伝わった終盤には、このまま敗北すれば「血で血を洗う内戦」に陥ると語った。今後、野党勢力が抗議デモなどを行えば、武力鎮圧に乗り出すことも想定される。

ロシアは30日までの予定で、カリブ海を挟んでベネズエラと面するキューバに艦艇3隻を派遣中。マドゥロ政権の後ろ盾として、ベネズエラ大統領選への民主主義諸国の批判を牽制(けんせい)している形だ。(平田雄介)

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