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大エジプト博物館で先行公開開始 日本も支援 経済回復の起爆剤として期待集まる

産経ニュース / 2024年10月17日 7時19分

一部展示品の先行公開が始まった16日、大エジプト博物館(GEM)には多くの観光客が訪れた(佐藤貴生撮影)

【カイロ=佐藤貴生】日本政府も支援してエジプトの首都カイロ近郊で建設中の「大エジプト博物館(GEM)」で16日、一部展示の先行公開が始まった。隣接するパレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘が起きてから1年。打撃を受けたエジプト経済の回復の起爆剤として、GEMへの期待が高まっている。

この日の館内にはさっそく多数の観光客が訪れ、国内外の関心の高さを示した。遺物修復の専門家らの派遣などで協力した独立行政法人「国際協力機構(JICA)」の加藤健・エジプト事務所長によると、古代の王朝や社会に関する1万点以上の展示品が公開された。「黄金のマスク」で知られるツタンカーメン王に関わる展示品などは今後、公開される。

岡浩・駐エジプト大使は「両国の協力のシンボルであり、大変うれしく思う。日本の方にも訪れてもらい、古い歴史を堪能してほしい」と呼びかけた。

GEMはカイロの「エジプト考古学博物館」が老朽化したため、エジプト政府が建設を決定。JICAを中心に日本の専門家が支援し、日本政府は総額840億円超の円借款を供与した。新型コロナウイルスの感染拡大などで開館は大幅に遅れた。

エジプトは海外出稼ぎ労働者の送金とスエズ運河の通航料、観光が主な外貨収入源だ。このうち2023~24年度の通航料収入はハマスを支援するイエメンの親イラン民兵組織、フーシ派が紅海周辺で船舶攻撃を始めたため、ロイター通信によると前年度比で約25%減った。

コロナの感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻に続いてガザの戦闘が追い打ちをかけ、経済は低迷が続く。今年3月には通貨価値が急落した。ガザでの戦闘が収束する兆しはなく、昨年12月の選挙で3選を果たしたシーシー大統領は難しいかじ取りを迫られている。

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