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日土国交樹立きょう100周年「暗い日の友が真の友」 トルコ大使が語る「特別な関係」

産経ニュース / 2024年8月6日 15時10分

ギュンゲン駐日トルコ大使=7月9日、東京都渋谷区神宮前のトルコ大使館(酒巻俊介撮影)

日本とトルコの外交関係樹立から6日で100周年を迎えた。両国は、134年前に日本で遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル号」の救助、日本の国連加盟時におけるトルコの尽力、双方で起きた震災からの復興支援などを通じ、友好を深めてきた。「トルコ語には『暗い日の友が真の友』という言葉がある。厳しい局面こそ真の友情が現れるという意味で、トルコと日本の関係はそういうものだ」。取材に応じたギュンゲン駐日トルコ大使は両国の絆の強さをこう表した。

日本は特別な存在

東京・神宮前の在日トルコ大使館を訪れると、エルトゥールル号の模型が目に飛び込んできた。1890年、この軍艦が和歌山県串本町沖で遭難した際、住民が69人の乗組員を救出した。このことと日露戦争勝利が、トルコの人々の「親日」を決定づけたという。

「トルコ人の世界から見た日本は特別な存在。トルコ人にとって歴史は単なる過去の出来事ではない。100年以上前に起きたことも、昨日のことのように覚えている」とギュンゲン氏は語る。

トルコ共和国建国翌年の1924年8月6日に両国は国交を樹立。トルコ政府は、先の大戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による統治が終わった52年から日本の国連加盟の重要性を各国に説いて回るなど、日本の国際社会復帰に尽力。56年の日本の国連加盟実現に結びついた。

その後も両国の助け合いは続く。イラン・イラク戦争中の85年、イランの首都テヘランに取り残された200人以上の在留邦人を、トルコが救援機を出して脱出させた。2011年の東日本大震災と23年のトルコ・シリア大地震の際は、双方が発生直後に救助チームを派遣した。ギュンゲン氏は「両国民はこの100年、困難の時にお互いのそばに寄り添ってきた。真の友情は厳しい局面にこそ現れる」と振り返る。

次の100年に向けて

近年も両国は幅広い分野で交流している。欧州とアジアにまたがる最大都市イスタンブールの両岸をつなぐマルマライ地下鉄トンネルは、日本の最先端技術と経済協力で建設された。両国はともに地震が多く、イスタンブールでは両国政府の協力のもと「トルコ・日本科学技術大学」が開校予定で、防災や地震対策の研究を進めていく。

トルコは近年、軍艦を自国で製造するなど軍需産業にも力を入れる。次世代戦闘機の開発プロジェクトもあり、「日本にもその意思があれば今後を見据え、防衛分野でも具体的な両国関係促進の余地が存在している」という。

トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国として西側諸国と連携しつつ、交戦中のロシア・ウクライナ双方と関係を保つなど、独自の外交を展開する。現在の日本についてギュンゲン氏は「世界第4の経済大国で先進7カ国(G7)のメンバーというだけではない。世界中で非常にポジティブなイメージを持たれている国だ」と指摘。「中東地域の諸問題に対しても、収束や安定に貢献してもらえると期待している」と話す。

今後の日本とトルコの関係については、「長い歴史を通じて育まれた友好関係を維持することが重要だ。友情や連携はたやすく構築し合えるものではない」と指摘。次の100年に向けて、「さらに上のレベルを目指し、友好を促進していくことが重要だ」と述べた。(本間英士)

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