ヒズボラがイスラエルにロケット弾250発 昨年10月以降で最多 戦火拡大の懸念
産経ニュース / 2024年6月13日 8時47分
【カイロ=佐藤貴生】レバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」は12日、約250発のロケット弾をイスラエル領に発射した。1日の発射数としてはヒズボラとイスラエルの交戦が始まった昨年10月以降で最多となったもよう。ロイター通信が治安当局筋の話として伝えた。イスラエルはパレスチナ自治区ガザでもイスラム原理主義組織ハマスと戦闘を続けており、戦火の拡大が懸念される。
イスラエル軍が11日に行ったレバノン南部への空爆でヒズボラの南部国境地区のタレブ・アブドラ幹部司令官が死亡し、ヒズボラはイスラエルへの攻撃を強化して報復すると述べていた。
ヒズボラは12日、少なくとも17の作戦を実施してイスラエル北部の軍事工場や軍の拠点施設などを攻撃した。対するイスラエル軍は12日、ロケット弾などの発射拠点があるレバノン南部を戦闘機で空爆した。
一方、ブリンケン米国務長官は12日、イスラエルとハマスの新たな停戦案を巡り、「ハマスが多数の変更を提案してきた」などと述べた。ブリンケン氏は要求を釣り上げたものもあるとし、一部は「機能しえない」として受け入れに否定的な考えを示したが、停戦に向けた仲介は続ける方針を示した。
これに対し、ハマス幹部は新たな考えは提起していないと否定した上で、ブリンケン氏は「問題の一部」になっていると批判し、不信感をあらわにした。
バイデン米大統領は5月末、イスラエルによるものだとして恒久的停戦などを含む新提案を発表したが、イスラエルのネタニヤフ首相は発表内容が「不正確だ」とし、米国との隔たりをにじませていた。
イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザの中部や南部で攻撃を継続しており、米国が主導する調停の下でもイスラエルとハマスの間に歩み寄る気配はみえない。
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