レバノンへの軍事計画承認 イスラエル軍発表、ヒズボラと全面衝突の懸念
産経ニュース / 2024年6月19日 8時13分
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は18日、隣国レバノンに対する軍事作戦計画が承認されたと発表した。レバノンと国境を接する北部の軍部隊の戦闘準備をさらに増強するとしている。イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」の交戦は最近激しさを増しており、全面衝突への懸念が高まっている。
イスラエルのカッツ外相は18日、「全面戦争になれば、ヒズボラは壊滅してレバノンは手痛い打撃を受けるだろう」と警告した。
一方、ヒズボラはレバノン国境から約25キロの距離にあるイスラエル第3の都市ハイファの港などを上空から偵察機で撮影したとする映像を公表した。ハイファ市街は攻撃可能だと示唆する狙いとみられ、市当局者が「市民に対する心理的なテロだ」と非難するなど駆け引きが活発化している。
ヒズボラは、イスラエルと戦うイスラム原理主義組織ハマスを支援し、昨年10月からイスラエルと交戦している。今月11日にはイスラエル軍のレバノン南部への空爆で幹部司令官が死亡し、ヒズボラは12日に報復としてロケット弾約250発をイスラエル領に発射した。1日の発射数としては交戦開始以来、最多とみられる。
一方、米国のホックスティーン特使は17日、イスラエル入りしてネタニヤフ首相と会談したのに続き、18日にはレバノンでミカティ暫定首相らと会談し、イスラエルとヒズボラの緊張緩和に努めた。
ヒズボラとイスラエルは2006年、約1カ月にわたる大規模交戦を展開し、レバノン・イスラエル両国で総勢1200人以上が死亡した。ヒズボラの戦闘能力はハマスを上回るといわれる。
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