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ガザからの便り「多くの親類を失ったけれど…」 戦闘開始から11カ月 千夜一夜

産経ニュース / 2024年9月20日 7時0分

「元気ですか? 僕のこと、覚えてる?」

筆者の交流サイト(SNS)のアカウントに先日、こんなメッセージと懐かしい丸顔が写った写真が届いた。ずいぶん前にパレスチナ自治区ガザに出張した際、取材に同行して通訳してくれた男性(45)からだった。

彼は2018年にガザを離れ、入国許可が出たベルギーに行って連絡が途絶えた。その後の経過を尋ねたら、21年にガザに戻ってフリーのカメラマンとして働いており、昨年10月に戦闘が起きてからは域内で取材していると教えてくれた。

イスラエル軍によるガザ南部への空爆で大きな被害が伝えられた今月10日、「大丈夫?」と聞いたら、「各地を転々と避難していて、今は中部にいるから無事だ」と返事があった。空爆された現場に足を運び、撮影したという動画も送ってくれた。

「多くの親類を失い、親しかっためいも亡くなった。けど、妻と子供たちは無事だ」。彼が送ってきたメッセージを読み、誰からも好かれていた明るい人柄を思い出した。

ガザで戦闘が起きてから11カ月が過ぎた。これほど長引くと誰が予想しただろうか。「一日も早く戦闘が終わり、会える日まで、とにかく無事でいて」。月並みな言葉しか彼に送れないのがつらい。(佐藤貴生)

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