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トランプ氏発言に反発強まる、アラブ諸国にガザ住民の受け入れ要請 ヨルダン外相も拒否

産経ニュース / 2025年1月27日 10時33分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦が発効したパレスチナ自治区ガザを巡り、トランプ米大統領がヨルダンやエジプトに住民の受け入れを求めると発言し、波紋を広げている。具体的な計画があるかも不明だが、ガザは将来のパレスチナ独立国家を構成する「領土」とみなされており、アラブ諸国でも反発が強まりそうだ。

トランプ氏は25日、ヨルダンのアブドラ国王との電話会談でガザ住民の受け入れを求めたとし、エジプトのシーシー大統領にも同様の要請をすると述べた。ガザは「ひどい混乱だ」とし、「平和に暮らせる別の場所」に家を建設するなど、アラブ諸国に協力を求める意向を示した。

26日に産経新聞の電話取材に応じたガザ中部の女性(35)は「トランプ氏はアラブの指導者に(受け入れを求めて)強い圧力をかける狙いだろう。しかし、イスラエル軍は戦闘でも私たちを外国に追い出せなかった」とし、ガザにとどまる決意を示した。

ロイター通信によると、ヨルダンのサファディ外相は26日、ガザの住民追放を拒否する姿勢は「強固で揺るぎない」と述べた。ハマスの幹部も「(住民は移住に関する)あらゆる申し出を受け入れない」とした。

シーシー氏は戦闘開始直後の2023年、イスラエル軍のガザ攻撃は「自衛権の範囲を逸脱している」と批判。反イスラエル闘争の火種になりかねないとして、ガザ住民の受け入れを拒否した経緯がある。

ガザの人口は推定220万人。19日にイスラエルとハマスの停戦が発効したが、約1年3カ月の戦闘で4万7千人超が死亡した。国連によると全人口の推計85%が避難民になった。イスラエル軍の爆撃を避けるため、何度も移動を強いられた人が多いとされる。

ガザの住民の多くはイスラエル建国(1948年)前後、ユダヤ人の攻撃を受けて避難した難民の血統といわれる。パレスチナ人はこの出来事を「ナクバ(大惨事)」と称し、民族の悲劇として語り継ぐ。ガザからの強制移住は「第2のナクバ」であり許されないと考える人は少なくない。

一方、トランプ氏の発言はイスラエル国内の対パレスチナ強硬派を勢いづかせる可能性がある。ネタニヤフ連立政権に加わる極右政党は、パレスチナ人の自主的なガザからの退去を後押しするよう主張してきた。

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