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ヒズボラの報復が焦点、レバノンの通信機器一斉爆発 ガザ戦闘の飛び火に懸念

産経ニュース / 2024年9月18日 18時20分

【テルアビブ=佐藤貴生】レバノンで17日に起きた通信機器の一斉爆発にはイスラエルが関与した疑いが強く、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが報復を宣言した。パレスチナ自治区ガザの戦闘がイスラエル・レバノン間の本格的な軍事衝突へと発展しかねない事態で、ヒズボラがどう報復するかが中東情勢を左右する。

欧米メディアの報道では、爆発でヒズボラの戦闘員数百人が負傷したもよう。レバノン治安当局の高官は、ヒズボラが注文した通信機器5千個にイスラエルの対外特務機関モサドが爆発物を埋め込んだとし、時間をかけて準備された作戦との見方を示した。

英BBC放送(電子版)は流通過程で物品に異物を混入させる「サプライチェーン攻撃」が行われたとし、これほど手間をかけた作戦は珍しいと分析した。米政府は爆発への関与を否定し、外交的に解決すべきだと述べ、緊張激化に懸念を表明した。

ヒズボラは8月下旬、320発超のロケット弾でイスラエルを攻撃した。7月末にイスラエルがヒズボラ幹部を殺害したことへの報復だとしたが、標的は軍事関連施設に限定していた。

今回、レバノンで起きた爆発では多数の市民に被害が出ており、ヒズボラが民間人の犠牲も辞さない大規模報復に踏み切れば、イスラエルとの衝突が本格化する恐れが強い。

一方で、ヒズボラはレバノン軍にも劣らない戦闘能力を持つ民兵組織で、傘下には有力政党もある。国内への影響力は大きく、イスラエルの反撃で被害が出るようなら批判の矢面に立たされかねない。こうした事情から反撃を回避するため限定的な報復にとどめるとの見方も出ている。

イランの動きも無視できない。今回の爆発ではレバノンに駐在するイラン大使も軽傷を負い、イランのアラグチ外相は「イスラエルのテロ」だと非難した。

イランは7月末、国内でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が殺害され、イスラエルが関与したと断定した。イスラエルの親イラン勢力への攻撃が限度を超えたと判断すれば、ヒズボラなどと連携して対イスラエル攻撃に傾くことも想定される。

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