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攻撃1年、ガザは今…ゴミや下水が路上に ハマスにも失望感「無法地帯の真っただ中」

産経ニュース / 2024年10月9日 13時25分

パレスチナ自治区ガザに住むハマム・ムグニさん(左)=本人提供

昨年10月7日からイスラエル軍の激しい攻撃を受け続けてきたパレスチナ自治区ガザ。水も食べ物も不十分な環境にあり、人々は避難先を転々とすることを余儀なくされ、肉体も精神も疲労している。電力が乏しく、電話回線がしばしば切れる中、9月上旬~中旬に3人が産経新聞の電話取材に応じ、困窮や不満を口にした。

ハマスは人質解放を

ジャーナリストの男性、オマル・アブドラボさん(30)は、「(イスラム原理主義組織)ハマスが連行した人質を解放しない限り、イスラエルは戦闘を続けるだろう」と予測した。

停戦が成立しないのは、ハマスが米国などの提示した停戦案に同意しないからだとし、「パレスチナ人はみなハマスに失望した。停戦してガザ(の統治権)をパレスチナ自治政府に委ねるべきだ」と話した。

また、アラブ諸国の人々は、独立国家の建設に象徴される「パレスチナの大義」の実現に「もはや関心がないと思う」とし、ガザは孤立無援の状態だという見方を示した。

無法地帯にいる

クリエイターの女性、オラ・ムハンマドさん(34)も、「ハマスが何をしたいかが不明。彼らは住民の暮らしが破壊されたことに責任を持つべきだ。ガザではみなが彼らを支持しているわけではない」と述べ、ハマスを批判した。

8回にわたり移動して避難を繰り返して一時はうつ状態になったとし、「ガザの外に出たいが費用がかかるし危険でもある」と窮状を口にした。「米国をはじめとする世界も、イスラエルもハマスも自治政府も責任を押し付け合って何も解決しない」とし、住民は「無法地帯の真っただ中」にいると評した。

冬で危機拡大

「テントで暮らす人もいるなかで冬が近づいており、危機的状況がさらに深刻になる」と強調したのは歯科医の男性、ハマム・ムグニさん(41)だ。ゴミに加えて下水も路上にまき散らされ、疫病の流行が懸念されると話した。

これまでに4回避難先を変更したが、どこに行っても目にするのは破壊された建物ばかり。「みな疲れ切っており、正常な精神を維持する何らかの手段が必要だ」と訴えた。

電力はほとんど来ないが、日が沈んだら寝る習慣が身についたのであまり苦労はない。ただ、「飲料水の値段が上がり手に入りにくくなった。家族で暮らすのは大変だ」という。

11月投開票の米大統領選が注目されているが、「トランプ氏、ハリス氏のどちらが勝っても、イスラエル寄りの政策は変わらない」とし、事態が大きく変わることはないという考えを示した。(テルアビブ 佐藤貴生)

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