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イランのアラグチ外相、中東諸国訪問で外交攻勢 報復控えイスラエルの孤立化狙う

産経ニュース / 2024年10月21日 9時23分

【カイロ=佐藤貴生】イランのアラグチ外相が中東諸国を相次ぎ訪問し、外交攻勢をかけている。今月初め、イランに攻撃されたイスラエルは報復すると明言しており、アラグチ氏は訪問を通じてイスラエルに協力しないよう求め、孤立させる狙いとみられる。戦線を拡大するイスラエルへの各国の懸念を、2国間関係の強化に利用する思惑もうかがえる。

イランは今月1日、ミサイル約180発をイスラエルに打ち込んだ。ロイター通信などによると、アラグチ氏は直後の4日から2週間余の間にレバノンやサウジアラビア、トルコなど少なくとも9カ国を訪れた。

17日付のイスラエル英字紙エルサレム・ポスト(電子版)は、「イランの外交使節が短期間にこれほどの訪問をしたことは歴史的に例がない」とし、「イスラエルを孤立させる試みだ」と警戒感を示した。

同紙はまた、アラグチ氏がイスラエルと平和条約を結んだヨルダンとエジプトや、イスラエルとの国交正常化を検討していたサウジアラビアを訪れたことに注目し、イランの影響力が強まっていると分析した。

特にエジプトについては、国営イラン通信が高官の訪問は「過去10年で初めて」だと報じ、関係改善をアピールした。アラグチ氏は訪問時、シーシー大統領とも会談したが、国軍出身のシーシー氏はイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を弾圧し、イスラムの価値観を重視するイランとの関係が冷え込んだ経緯がある。イスラエルを敵視する共通の考えが両国を接近させた形だ。

アラグチ氏が歴訪を始めた今月上旬、イラン政府高官はペルシャ湾岸諸国に対し、イラン攻撃のため第三国に領空や軍事基地を使用させることは「容認できない」と警告した。イスラエルの報復が念頭にある。

ロンドンに拠点がある英語ニュースサイト、ニューアラブは16日付で、湾岸諸国は石油関連施設がイランに攻撃される恐れがあるため、イランとイスラエルの間で中立の姿勢を取るよう努めると分析した。

イスラム原理主義組織ハマスの最高指導者だったハニヤ氏が7月末、イラン訪問中に殺害された際、イランはイスラエルへの報復を宣言。中東諸国に理解を求めたが、混乱拡大への懸念から支持は広がらなかった。湾岸諸国などは伝統的に親米でもあり、アラグチ氏の外交攻勢が大きな成果を生むかは見通せない。

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