イラン、イスラエルにミサイル攻撃 ミサイル180発発射 各地で警報 報復の連鎖に懸念
産経ニュース / 2024年10月2日 8時17分
【テルアビブ=佐藤貴生】イランは1日夜、イスラエルに向けて約180発のミサイルを発射した。エルサレムや西部テルアビブなど各地で空襲警報が鳴り響き、ロイター通信によると、イスラエルの防空システムのほか米海軍の艦艇がミサイルを迎撃した。ヨルダン川西岸地区では1人が死亡した。中東の軍事衝突が拡大する懸念が高まっている。
イランは7月末、国内でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が殺害され、イスラエルが関与したと断定したが、報復は行っていなかった。今回のイランの攻撃に対し、イスラエルのネタニヤフ首相は代償を支払わせると述べ報復を明言。米国も「重大な結果」を及ぼすとした。
米CNNテレビは1日夜、テルアビブの繁華街の上空に多数のミサイルが飛来する様子を放映。米国はイランが4月に行ったイスラエルへの攻撃の約2倍の規模だったとした。イスラエル軍の基地が襲撃されたとの情報もある。
イラン政府高官はロイターに、攻撃は最高指導者ハメネイ師の指示だったと語った。革命防衛隊は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザやレバノンへの攻撃に対する報復と位置付けた。極超音速ミサイルを初めて投入したとしている。
イランのペゼシュキアン大統領は「これはイランの(攻撃)能力の一部でしかない。イランと対立するな」とソーシャルメディアに投稿した。
イスラエルは9月、レバノン国内のヒズボラに対する攻撃を強化し、指導者のナスララ師ら幹部を相次いで殺害。10月1日には約18年ぶりにレバノン南部への限定的な地上侵攻を開始した。
イスラエル軍はイランによる攻撃を受けた後、ヒズボラの拠点があるレバノンの首都ベイルート南郊の住民に避難を勧告、攻撃を強化する方針を示唆した。
テルアビブでは1日夜、複数回にわたって空襲警報が鳴り、上空ではミサイルの迎撃のような轟音(ごうおん)が何度も響いた。
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