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イスラエル前国防相が戦時内閣離脱を表明 挙国一致体制が崩壊 ネタニヤフ首相に痛手

産経ニュース / 2024年6月10日 8時51分

【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザでイスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエルのガンツ前国防相は9日、戦時内閣からの離脱を表明した。ハマスとの戦闘方針を巡ってネタニヤフ首相との意見の相違が表面化していた。ガンツ氏の離脱は昨年10月の戦闘開始から続いた挙国一致体制の終わりを意味し、ネタニヤフ氏に痛手となる。

9日夜に記者会見したガンツ氏は「ネタニヤフ氏は私たちが真の勝利へ向かうのを妨げている」と述べ、国会選挙の早期実施を求めた。5月中旬、ネタニヤフ氏に戦後ガザの統治方針などを明確に示すよう求め、実現しなければ6月上旬に辞任すると表明していた。

戦時内閣は通常の内閣とは別に、昨年10月のハマスによる奇襲を受けて発足した。中道右派の野党「国家団結党」の代表を務めるガンツ氏が戦時内閣から離脱しても、64議席を有するネタニヤフ連立与党が定数120の国会で過半数を占める状況に変わりはない。

ただ、ハマスの奇襲を防げず、ガザに残る約120人の人質も救出できないネタニヤフ氏は国民の大きな批判にさらされ、首相辞任を求める抗議デモは日常化している。戦後統治計画を示さず戦闘継続にこだわるのも、選挙になれば支持を伸ばしているガンツ氏に首相の座を追われかねないからだと指摘される。

ガンツ氏の離脱を受け、対パレスチナ強硬派で連立に参加している極右政党が影響力を強めるとの観測がある。ハマス壊滅まで戦闘を続けるべきだと主張する極右の方針は、ネタニヤフ氏とも一致するからだ。

ただ、ネタニヤフ氏が極右重視の政策を進めれば、バイデン米政権などが反発を強めて国際的に孤立が深まる事態も予想される。

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