イラン最高指導者ハメネイ師、イスラエル直接攻撃を命令か 米紙報道
産経ニュース / 2024年8月1日 8時19分
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が訪問先のイランの首都テヘランで殺害されたことを受け、同国最高指導者ハメネイ師はイスラエルに直接、報復攻撃を行うよう命じた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が7月31日、複数のイラン高官の話として伝えた。
同紙によると、ハニヤ氏の滞在先はイランでも「ひと握りの治安当局幹部」しか知らなかった。ハメネイ師は対テロ作戦を担当する革命防衛隊と軍に、イスラエルや米国と軍事衝突する事態を想定して攻撃・防衛計画を策定するよう指示したという。
イランは中東各地のイスラム教シーア派民兵組織と連携している。報復の規模によっては中東全域を巻き込む戦闘に発展しかねず、緊張した局面が続きそうだ。
テヘランでは30日にペゼシュキアン新大統領の宣誓式が開かれ、海外から多数の要人が訪れていた。後ろ盾として支援するハマスのトップが国内で殺害され、イラン政府とハメネイ師の面目は丸つぶれとなった。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は31日に行ったテレビ演説で、この数日間に親イラン民兵勢力に痛烈な打撃を与えたとし、「(イスラエルへの)あらゆる攻撃には高い代償が伴う」と強調した。ハニヤ氏殺害には言及しなかった。同国政府は殺害への関与の有無はコメントしていない。
イスラエル軍は30日、レバノンの首都ベイルート南郊を攻撃し、民兵組織「ヒズボラ」のナンバー2、フアド・シュクル氏を殺害したと発表した。ヒズボラは31日、同氏の死亡を確認した。
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