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泥沼化するスーダン内戦 国連「悲惨な人権侵害」 1千万人が避難、周辺国介入も背景に

産経ニュース / 2024年9月12日 11時37分

【カイロ=佐藤貴生】アフリカ北東部スーダンで2023年4月に始まった国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の内戦は収束する兆しが見えない。国連の調査委員会は今月6日、双方が性暴力や拷問など「悲惨な人権侵害」を行っており、戦争犯罪や人道に対する罪に当たる恐れがあるとの報告書を公表した。周辺国の介入も内戦の泥沼化の背景にある。

スーダン軍は21年10月にクーデターで実権を掌握。統合を巡るRSFとの調整がつかず、軍事衝突に発展した。当初は充実した装備を持つ軍が有利だとみられていたが、昨年末ごろからはRSFが西部ダルフール地方や首都ハルツーム南方などで攻勢を強めているようだ。

長引く戦闘で数万人が死亡したともいわれ、1千万人以上が国内のほかエジプト、チャドなどに避難した。インフラが寸断されて全人口(推定約4800万人)の半数が深刻な食料不安に直面し、ダルフールの一部地域では飢饉(ききん)が進行中と指摘される。

欧米メディアの報道では、RSFを率いるダガロ司令官は国内の金の採掘権を握っており、アラブ首長国連邦(UAE)がRSFに資金や兵器を供給している。一方、隣国エジプトはスーダン軍と親密な関係にあるほか、イランも軍を支援している。

ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いたプリゴジン氏は金を得るためRSFに兵器を供与していたが、同氏の死後、ロシア政府はスーダン軍との関係改善を進めているとの観測もある。

親密な関係にあるイランと足並みを合わせたとの見方に加え、軍事、海運などの面で注目が高まる紅海沿岸に海軍基地を建設し、足場を確保したい思惑が背景にあるとされる。

米国などは8月中旬から下旬にかけ、スイスで内戦終結を目指す会議を開いたが、スーダン軍が欠席して進展はなかった。国連は兵器の禁輸などを求めているが、周辺国は各々の利益に基づいて介入しているとみられるだけに、停戦での合意は容易ではない。

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