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制裁下の経済、舵取り問う イラン大統領選、28日投票 国民は暗号資産に熱視線

産経ニュース / 2024年6月27日 17時51分

【テヘラン=佐藤貴生】ヘリコプターの墜落で事故死したライシ大統領の後継を選ぶイラン大統領選は28日、投票が行われる。有権者が高い関心を示しているのが、低迷が続く経済への対応だ。トランプ前米政権が2018年に制裁を再開して以降、イラン経済は悪化の一途をたどっている。通貨リアルの価値下落が続く中で、暗号資産(仮想通貨)が根強い人気を保っているようだ。

大統領選の選挙戦では、6人の候補者がテレビを通じて政策を説明する討論会が複数回開催され、経済も討論のテーマになった。ロイター通信によると、保守強硬派の候補らは米制裁の継続を織り込み、自立した経済構造を確立すべきだと主張した。一方、唯一の改革派候補であるペゼシュキアン元保健相らは、経済好転のためにも外交関係を拡大すべきだと訴えた。

米の制裁再開はイランの原油輸出に打撃を与え、インフレ率が年40%近くに達する深刻な物価高に見舞われた。通貨リアルはライシ師の大統領の任期中、対ドルの実勢レートで価値が半分以下に落ちた。

テヘランの街頭で会った人々は、「公務員だが給与が少なくて部屋が借りられず、結婚もできない」「中間層は姿を消し、みな貧困層になり下がった」などと苦しい生活を嘆いた。

26日に取材に応じたテヘランの情報技術関連会社「シーテックス」のホセイン・ガリーブ最高経営責任者(CEO)=(40)=は、「暗号資産の関連市場は拡大している。国内の経済悪化が底流にあることは間違いない」と話した。

筆者はイランで暗号資産がブームになった約3年前にも、ガリーブ氏に取材した。シーテックスが開催する暗号資産関連の講習会への参加者は当時の10~20倍に増え、2015年に15人だった社員は75人に増えた。「暗号資産への投資で成功し、新車や家を買った人も知っている」という。

「政府には暗号資産に関する十分な知識はなく、相談に乗って助言したりしている」というガリーブ氏は、「誰が次の大統領になっても、暗号資産の分野では民間企業に依存せざるを得ない。積極的に投資する人も増えており、事業の将来性は明るい」と語った。

■暗号資産

インターネット上で取引される財産的価値を持つ電子データ。特定の国家が管理するのではなく、ネットで結ばれた世界中のコンピューターが同時に監視して価値が担保されている。硬貨や紙幣などの実体はないが、購入や換金のほか、モノやサービスの支払いにも使える。代表的な暗号資産にビットコインがある。

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