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イスラエルとハマス、近く停戦合意か 背景に米政権交代と親イラン勢力の影響力低下

産経ニュース / 2025年1月14日 17時58分

【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで戦うイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが近く停戦で合意するとの観測が出ている。戦闘開始から約1年3カ月が過ぎたいま、両者が歩み寄る背景には、米政権交代と中東各地の親イラン勢力の影響力低下という情勢の変化がありそうだ。

無制限攻撃の可能性

20日に第2次政権を始動させるトランプ次期米大統領は、自身の就任までにハマスが人質を解放しなければ「中東に地獄が訪れる」と述べた。発言が効果を発揮したとみる向きは多い。

英BBC(電子版)はハマスがこの発言について、イスラエル軍のガザ攻撃に一定の制約をつけたバイデン政権と異なり、トランプ次期政権は人質を解放しなければ攻撃を無制限に認める恐れがある、と考えた可能性があるとした。

トランプ氏はイスラエルとアラブの大国サウジアラビアの国交正常化を実現したい意向とされ、戦闘の長期化はその目標を達成する上で障害となる。このため、次期米政権で中東担当特使となるウィットコフ氏は11日のイスラエル・ネタニヤフ首相との会談で停戦受け入れを強く要求し、協議の進展を引き出したとも報じられた。

イスラエルの世論もネタニヤフ氏の判断に影響を与えた可能性がある。ガザで死亡したイスラエル兵士は400人を超え、停戦を求めるデモが頻発。同氏が掲げた「完全勝利」が何を意味するかも不明だ、などとして批判が強まっていた。

イランの影響力衰退

一方、ガザの戦闘は中東に激震をもたらし、勢力図は一変した。これがハマスの対応が軟化する一因になったとの見方もある。

イランと連携するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラはイスラエル軍の攻撃を受けて弱体化し、シリアではイランが支援したアサド政権が崩壊した。「シーア派の弧」と呼ばれる対イスラエル包囲網が崩れ、イランの地域への影響力は衰えた。こうした環境の変化がハマスの孤立化を促し、停戦受諾の圧力になったという解釈だ。

停戦が成立したとしても、どこまで維持されるかは見通せない。報じられている停戦案は第1段階で人質などの身柄交換を進め、第2、第3段階に関する協議は停戦発効から16日後に始まる。

ハマスは第1段階で人質を解放した後、イスラエルが停戦合意から離脱することを危惧しているといわれる。双方が停戦協定に関与し続け、順守するよう監視する第三国の存在もカギを握りそうだ。

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