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ガザ「ワクチン休戦」に歓迎の声も イスラエル、恒久的な和平には消極姿勢

産経ニュース / 2024年8月30日 18時16分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスがポリオ(小児まひ)ワクチンの接種を促進するために戦闘の一時休止で合意したことについて、国際社会では歓迎する声が聞かれた。一方、ハマス壊滅を掲げるイスラエルのネタニヤフ首相は今回の「ワクチン休戦」を機に、国際社会で恒久的な和平を求める声が拡大することを警戒しているようだ。

欧米メディアによると、ワクチン接種のための戦闘の一時休止は先週、イスラエルを訪問したブリンケン米国務長官が求めていた。パレスチナ自治区ガザの子供64万人分のワクチンは既に現地に到着しており、世界保健機関(WHO)などが2千人を動員して接種を進める。

戦闘休止が実現すれば、ハマスがイスラエルを奇襲した昨年10月以降で2回目で、感染防止を目的とする初のケースとなる。英国の外交官は「多数の子供が接種場所に来れば、彼ら全員を(感染から)守ることができる」とし、接種事業を「強く歓迎する」との意向を示した。

一方、英BBC放送によると、ネタニヤフ氏は今回の戦闘休止措置は「(本格的な)休戦ではない」と述べているという。ハマスとの戦闘を巡っては米国などの仲介で和平交渉が行われているが、ネタニヤフ氏にはハマス壊滅まで戦闘を続ける意向がある。発言からは今回の戦闘休止が、恒久的なものに発展することを牽制(けんせい)する狙いがうかがえる。

米国のウッド国連次席大使は、イスラエルは「接種期間中は軍事作戦を控える」ことが重要だとし、緊張を高める行動を自制するよう注文を付けた。自らの政治生命の延命のために、戦闘を続けていると批判されるネタニヤフ氏を念頭に置いた発言とみられる。

ガザではポリオの拡大が懸念されており、ハマスの奇襲の際、イスラエルからガザに連行された人質の家族らで作る団体は、拘束されている人々にもワクチン接種を進めるよう求めた。イスラエル軍は7月、兵士へのワクチン接種を始めたと発表している。

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