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対立超え4党が連立 南ア、大統領は続投 白人政党「団結して共同統治」

産経ニュース / 2024年6月15日 10時5分

【カイロ=佐藤貴生】南アフリカの下院(定数400)で14日、故マンデラ氏が率いた名門政党「アフリカ民族会議」(ANC)や白人主体のリベラル政党「民主同盟」(DA)など4党が連立政権を樹立することで合意した。ANCは長年の敵対関係を越えてDAとの歩み寄りを実現し、30年続いた単独政権に終止符を打った。

ロイター通信によると、黒人のズールー人主体のインカタ自由党(IFP)や、カラード(混血)が支持基盤の右派、愛国同盟(PA)も連立に加わる。与党側が過半数を確保し、14日の本会議での投票の結果、2018年に大統領に就任したラマポーザ氏が続投を決めた。

ラマポーザ氏は「互いに反目した党が協力することを決め、国に新たな時代をもたらした」と演説。DAのスティーンハイゼン党首は「団結と協力の精神で国を共同統治する」と、歴史的転換を称賛した。

ANCは5月29日投票の下院総選挙で、アパルトヘイト(人種隔離)終結後の全人種による選挙(1994年)以来、初めて過半数を割った。汚職蔓延(まんえん)や格差拡大に、国民の厳しい審判が下された。

連立協議の過程では、ANCが白人の土地接収や天然資源の国有化などを掲げる急進左派と組む可能性も指摘された。アパルトヘイトの記憶が残るANC内部には、DAとの連立を敬遠する向きもあったという。

しかし、ANCは市場経済を重視するDAとぎりぎりまで協議を続け、連立にこぎつけた。反資本主義的な左派との連携が回避され、経済界や外国の投資家らは一様に歓迎している。

ロイターによると、連立に加わる各党は、持続可能な経済成長や雇用創出、構造改革などを推進する方針で合意した。政策調整や閣僚ポストの配分が今後の焦点となる。ANCとDAを中心とする協調が長続きするかを懸念する声もある。

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