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アブラハム合意、サウジへの拡大望む 「平和のサークル」アジアにも 駐日イスラエル大使

産経ニュース / 2025年2月5日 19時43分

インタビューに応じるイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使=3日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が都内で産経新聞とのインタビューに応じ、パレスチナ自治区ガザで多数の犠牲者を出しながら進めてきたイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘は「自衛」策であると強調した。また、第1次トランプ米政権が仲介したイスラエルと一部アラブ諸国との国交正常化(アブラハム合意)をサウジアラビアにも拡大することに期待を示した。詳細は以下の通り。

--ガザでは「暴力の連鎖」が続いてきた

「連鎖ではない。ハマスが一昨年10月7日にイスラエルを攻撃するまで、私たちの間には停戦があった。ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)以来、最悪ともいえる恐ろしい残虐な出来事への自衛として私たちは今、対応している。ゴルダ・メイア(元イスラエル首相)はかつて次のように語った。『もしアラブ人たちが武器を置くなら平和は訪れる。だがユダヤ人が武器を置けば虐殺が起こる』。私たちの方が強く、この地から去ることはない、ということをパレスチナ人が理解すれば、平和は訪れるはずだ」

--イスラエルが先月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を国内で禁止したことに英仏独などが反発している

「UNRWAは私たちの信頼を裏切った。内部にテロリストがいることを私たちは数年前から警告したが、テロリスト数人が10月7日の残虐行為に加わった。UNRWAがガザに搬入する支援物資は全体の16%のみだ。他の支援団体を通じ、必要物資を供給することは可能だ。例えば私たちはポリオのワクチンを世界保健機関(WHO)と協力する形で搬入した。私たちは支援物資搬入のため、UNRWAを通さず数千台のトラックも送っている」

「平和のサークル」アジア拡大望む

--トランプ米大統領はアブラハム合意をサウジに広げることに積極的だ

「サウジはアラブ世界やイスラム圏で指導的な立場にある。私たちはアラブ4カ国(アラブ首長国連邦、バーレーン、スーダン、モロッコ)との合意をさらに拡大させたい。私はイスラエル外務省の一員として、合意が締結される前に秘密交渉に携っており、個人的にもサウジとの和平が進むことを期待する。『平和のサークル』がアジア地域、例えばインドネシアなどに拡大することも望む」

--シリアのアサド独裁政権が昨年末、崩壊した

「政権崩壊はいいニュースだ。アサドは自国民を60万人超も虐殺した。私たちは今、新政権を警戒しつつ注視している。指導者たちがかつて、(国際テロ組織の)アルカーイダと関係があったことを忘れてはならない。ライオンだった人間は突然、子猫になれない。獰猛(どうもう)な人間が皮を脱ぎ捨て、すぐ別の人間になるのは不可能だ」

「私たちは一方、彼らと軍事的に対峙(たいじ)しようとは考えていない。イスラエルは今、シリアの一部に軍を駐留させているが、あくまで自衛目的だ。彼らにイスラエル攻撃の意図がないことが判明次第、撤退する」

ヒズボラ「合意破れば再度攻撃」

--イランで昨年夏、欧米との対話重視派、ペゼシュキアン政権が誕生した

「イランの方針を決めるのは結局、最高指導者のハメネイ師だ。レトリックではなく、新政策や行動で変化を示す必要がある。私たちが今、目にしているのは脅迫や憎しみであり、イランはレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラへの武器支援を今も継続している。ヒズボラを巡る停戦合意が実現したとはいえ、ヒズボラが停戦合意を破れば、私たちは再度、攻撃する」

「イランの方針には、日本も警戒している。イランが北朝鮮との間で無人機(ドローン)やミサイル技術などを共有し、日本の国防に直接、脅威となるためだ。日本は(イランに対し技術共有などを)やめるよう働きかけているはずだ」

--イランはロシアのウクライナ侵略にも協力的だ

「ウクライナ人はイランのドローンで殺害されている。戦争勃発以来、イスラエルの立場はウクライナの領土保全を尊重し、ロシアは撤退すべきというものだ。私たちはもう戦争を見たくない。人々の苦しみが終わることを望む」(聞き手 黒沢潤)

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