「次の人質解放は30日」とイスラエル首相府 北部に向かう道路封鎖を解除 ガザ停戦

【カイロ＝佐藤貴生】イスラエルとの停戦合意を巡ってイスラム原理主義組織ハマスは26日、イスラエルが求めていた民間の女性1人を含む人質3人を解放すると表明した。イスラエル首相府は3人が30日に解放されるとし、見返りとして封鎖していたパレスチナ自治区ガザの南北を結ぶ道路の通行を認めた。

封鎖された道路の前には、ガザ北部の自宅を目指す数万人の避難民が集結した。中東のテレビ局は27日朝の封鎖解除後、毛布などわずかな所持品を持った大勢の人が徒歩で北部に向かう様子を放映した。イスラエル軍は北部で断続的に攻撃を行い、65万人が中部や南部に避難したとされる。

イスラエルは25日、ハマスが解放した人質の中に、解放を求めた女性が含まれていなかったとし、合意違反だとして道路の通行を禁じた。女性はハマスではなく共闘するガザの過激派、イスラム聖戦に拘束されていたもよう。首相府は合意の第1段階で解放される人質の関連情報も受け取ったとしている。