トランプ氏「ガザ領有」発言 イスラエルは歓迎、アラブは警戒 イランは対話に期待も
産経ニュース / 2025年2月5日 19時5分
トランプ米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、パレスチナ自治区ガザについて住民を域外に移住させ、米国が「長期的に所有する」と述べた。対パレスチナ強硬派のネタニヤフ連立政権は発言を歓迎しているもようだ。右傾化した多くの国民もガザを拠点に2年前、イスラエルを奇襲したイスラム原理主義組織ハマスとは「共存できない」と考えている。
ガザを巡っては1月19日、イスラエルとハマスの停戦が発効。停戦の恒久化を目指す「第2段階」の行程を決める協議が最近始まった。ただ、「ハマスの壊滅」を掲げるネタニヤフ政権は停戦維持に消極的とされ、トランプ氏の発言を受けて強硬姿勢に出る可能性が出てきた。
ガザ住民の域外移住に傾くトランプ氏に、親米アラブも警戒感を強めている。トランプ氏はイスラエルと地域大国サウジアラビアの国交正常化実現に意欲を示す。だが、サウジアラビアは5日、パレスチナ国家が建設されなければ正常化はしないとくぎを刺した。
アラブで根付く反感
ガザの住民の多くは1948年のイスラエル建国前後、ユダヤ人の襲撃を逃れて難民になったパレスチナ人の血を引く。この出来事は「ナクバ(大惨事)」として語り継がれ、アラブでは「第2のナクバ」への反感も根付いている。
ガザのパレスチナ人が再移住を強いられれば、現在はイスラエル国内にある祖先の故郷への帰還はさらに遠のく。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への難民登録者数は昨年7月時点で597万人を超えるが、イスラエルは帰還権を認めていない。
トランプ氏は核開発を進めるイランには「最大限の圧力」をかけるとする半面、対話も排除しない姿勢を示した。イランのペゼシュキアン大統領は2015年の核合意を欧米と交渉して立て直し、制裁を解除させて経済回復につなげるとする改革派で、発言を前向きにとらえている可能性もある。(カイロ 佐藤貴生)
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