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ヨルダン、避けたい内政の負担増 米国支援は必要…窮余の一策 ガザの子供受け入れ表明

産経ニュース / 2025年2月12日 18時30分

【カイロ=佐藤貴生】ヨルダンのアブドラ国王はトランプ米大統領との11日の会談で、病気の子供2000人をパレスチナ自治区ガザから受け入れると表明した。トランプ氏の要求通りに多数のガザ住民を受け入れれば内政や経済が不安定化しかねず、とても容認できない。半面、米国の支援はつなぎとめたい。そんな苦渋の思いが見て取れる。

アブドラ国王はトランプ氏の4日の「ガザ所有」発言後、同氏と会談したアラブ諸国で最初の首脳。受け入れ対象を病気の子供に限定して人道的意義を示し、無制限の受け入れとは一線を画した。発言に反発しているエジプトやサウジアラビアなど、他のアラブ諸国との協調にも配慮した形だ。

ヨルダンは1994年にイスラエルと平和条約を結んだ親米国で、紛争が絶えない中東で「安定」を維持してきた。人口約1100万人のうちパレスチナ難民は約240万人で、難民を含むパレスチナ系住民が全体の6割前後を占めるとされる。

ガザ住民を多数受け入れれば反イスラエル感情が高まり、政情不安が深刻化する恐れがある。地元メディアによると、7日には首都アンマンでトランプ発言に抗議する数百人規模のデモが起きた。

ヨルダンは以前から年約15億ドル(約2300億円)の支援を米国から受けてきた。ヨルダンにとって米国は屈指の海外援助国で、住民受け入れの問題とは別に同国の支援継続が不可欠だ。しかしヨルダンの政治評論家、オライブ・ランタウィ氏は11日、英BBC放送に対し、ガザ住民受け入れの是非は「資金援助の問題ではない。安全保障や安定は金とは交換しえない」との見方を示した。

アブドラ国王の窮余の一策でトランプ氏が納得するかは不透明だ。

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