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南アフリカで総選挙後初の下院招集 白人系最大野党の連立入りが焦点に

産経ニュース / 2024年6月14日 19時27分

【カイロ=佐藤貴生】5月29日の総選挙の結果に基づく南アフリカの新たな下院(定数400)が14日、初招集された。故マンデラ大統領が率いた名門政党「アフリカ民族会議」(ANC)は159議席で第1党を維持したが、30年ぶりに過半数を割り、連立協議が招集直前まで行われた。白人を支持基盤とするリベラル派の最大野党「民主同盟」(DA)がANCとの連立に応じるかが焦点だ。

南アはアフリカ屈指の経済大国。中露やインドなど非欧米諸国でつくる「BRICS」の一角を占めており、グローバルサウスの国として国際社会でも存在感を強めている。

14日は大統領も選出される予定で、ANCが支持するラマポーザ大統領が続投を決めるとの観測がある。大統領は下院の過半数の賛成で選出される。

連立協議では、87議席で第2党となったDAの幹部が「14日未明に連立入りで最終合意した」としつつも、さらに詳細な条件を詰めていると述べた。DAとANCは長くライバル関係にあり、双方とも政策やポスト配分などを巡って警戒感を緩めていないようだ。

ANCとDAが連立する場合、17議席で第5党となった保守系「インカタ自由党」(IFP)も加わるとの見通しが出ている。

ANCの支持者の間で「白人の利益の守護者」とみなされるDAは不人気なため、黒人民族ズールー人主体のIFPが連立に加わることで白人色が薄まり、ANC指導部の懸念が和らぐとの見方が出ていた。

開かれた市場を支持するDAが与党になれば、実業界や海外の投資家なども好感するとみられる。一方、39議席で第4党となった黒人主体の「経済的解放の闘士」(EFF)は、白人の土地接収を主張する急進派で、連立入りすれば経済・投資環境が悪化するとの見方がある。このため南アの新政権の構成は、国外からも注視されている。

また、58議席を得て第3党に躍り出た新党「民族の槍」(MK)は、汚職疑惑で批判が高まり2018年に辞任したズマ前大統領が率いる。MKは選挙で不正があったとして下院の開会を阻止しようとするなど、政界に対抗する姿勢を示しており、今後の不安定材料となりそうだ。

マンデラ氏が率いたANCはアパルトヘイト(人種隔離)を軸とする白人支配の打倒に大きな役割を果たしたが、近年は汚職疑惑が相次いだほか経済低迷も打開できず、国民の不満が高まっていた。

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