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ガザの死者4万人に迫る 感染症拡大の危機も WHOがポリオ・ワクチン搬送を計画

産経ニュース / 2024年8月14日 15時52分

イスラム原理主義組織ハマスを標的とするイスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで、昨年10月の戦闘開始以降の死者数が4万人に近づいた。軍事攻撃に加え、イスラエル軍の指示で何度も避難を強いられてきた住民は体力を消耗している。支援物資の搬入が停滞して十分な栄養も取れず、感染症の拡大が懸念されている。

ガザ保健当局は13日、開戦以来の死者数は少なくとも3万9929人になったと発表した。ロイター通信によると当局は約1万人ががれきに埋まっていると推計し、集計から除外している。病死など間接的な事例を含めれば死者は18万人を超えると推計する学者もいるという。ガザの開戦前の人口は約220万人。

「ガザの人々が目撃しているのは戦争ではない。イスラエルのジェノサイド(集団殺害)だ」。8月13日、産経新聞の電話取材に応じた女性ジャーナリスト、エスマットさん(34)が訴えた。

ガザ北部の主要都市ガザ市に住んでいたエスマットさんは開戦後、南部ハンユニスやラファなどに9回も避難を繰り返した。現在は中部デールバラハにいる。国連によると、ガザの全人口の約9割が避難民となり、避難回数が10回に及ぶ人もいる。

イスラエル軍は最近、ガザ南部などで相次いで避難勧告を出し、避難場所に指定した「人道エリア」も爆撃したと報じられた。国連や住民は「ガザに安全な場所はない」と評する。

衛生環境は劣悪で、世界保健機関(WHO)は7月末、住民がポリオ(小児まひ)ウイルスに感染している可能性が高いと明らかにした。汚水のサンプルからウイルスが検出されたという。

ポリオは口から入ったウイルスが神経を侵し、手足などのまひを引き起こす。世界規模でワクチン接種が進み、1988年当時に比べると症例は99%減った。ガザでは戦闘の長期化で接種率が落ちており、WHOは120万回分のワクチンを現地に送る計画を立てている。

避難民が集まるガザのキャンプ周辺では路上に汚水が流される場所もあるとされる。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は7月下旬、ガザでは10万人以上にA型肝炎が疑われる黄疸(おうだん)の症状が出ており、50万人が下痢に苦しんでいると報じた。(カイロ 佐藤貴生)

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