仙台中2自殺 現場の隠蔽体質浮き彫り 体罰見抜けず「市教委、何を確認」 宮城

産経ニュース / 2017年5月20日 10時30分

4月に自殺した仙台市の男子中学生が教員から体罰を受けていたと説明する大越裕光教育長=19日、仙台市役所本庁舎(岡田美月撮影)(産経新聞)

 仙台市の市立中2年の男子生徒(13)が4月に飛び降り自殺した問題で、亡くなる前日に男性教諭から体罰を受け、1月にも別の女性教諭から口に粘着テープを貼る体罰を受けていたことが明るみに出た。市教育委員会は在校生や教職員に対する聞き取りで、同級生によるいじめの事実を認めたが、教諭による体罰は見抜けなかった。2教諭は事態が発覚するまで事実を報告せず、「失敗」を隠し続ける市の教育現場の体質が浮き彫りになった。(岡田美月)

 市教委によると、事実が発覚したのは18日夜。男子生徒と同学年の生徒の保護者から校長に電話があったという。翌19日に校長が2教諭に確認し、2人とも体罰を認めたという。

 大越裕光教育長は同日、市議会市民教育委員会でこの事実を報告。委員らは「なぜ先生から事実が出てこなかったのか」「市教委は先生一人一人に何を確認してきたのか」などと疑問の声を上げた。

 大越教育長は男子生徒の自殺後、授業中の様子や生徒の様子で気になることについて、教諭らに聞き取りをしてきたことを踏まえ、「起こった(生徒が自殺した)ときに報告しなければいけない。言語道断だ」と応じた。

 「学校には起こったことを積極的に出す風土がない。『失敗』を表にしない考えが蔓延(まんえん)している」

 いじめと自殺をなくす社会を目指すNPO法人「学校の底力」の岩岡勝人理事長は、教員による子供への体罰についてこう指摘する。その上で、「事が小さいうちに大騒ぎすることが重要だ」と強調し、「(体罰を加えたことを)本人と当事者だけしか知らないということはありえない」と話している。

 奥山恵美子市長も「教員の体罰が(自殺の)引き金になった可能性が高くなっている」との見方を示した。また、奥山市長は22日に文部科学省を訪ね、義家弘介副大臣と面談する。男子生徒の自殺や市教委、学校の一連の対応について報告する。

 市教委は2教諭について、懲戒処分を含めて検討するとともに、いじめ問題を調査する第三者委員会に調査を諮問する方向で対応を進めるとしている。

産経ニュース

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