「おくのほそ道」名勝の栃木・遊行柳、剪定でアララ…HP写真も変更へ 「樹勢回復のため」も、写真愛好家は落胆

産経ニュース / 2017年9月14日 11時47分

作業前日の8月29日に撮影した遊行柳=栃木県那須町芦野(産経新聞)

 国指定名勝「おくのほそ道の風景地」の一つ、栃木県那須町芦野の遊行(ゆぎょう)柳で、8月末に枝が剪定(せんてい)されたことを受け、同町はホームページに掲載している遊行柳の写真を切り替えることが分かった。近く現在の状況を撮影する。8月末の剪定では張り出していた枝の切除で樹形が大幅に変わり、写真愛好家からは落胆の声も聞こえるが、町側は「危険除去と寿命を延ばすため」と理解を求めている。 

 遊行柳は、江戸時代の俳人、松尾芭蕉も立ち寄り、句を詠んだ名木。これまで何回か植え替えられ、現在の柳は樹齢約80年。本格的な枝の切除や剪定は初めてだった。

 同町では樹形を維持しようとしてきたが、数年前から樹勢が衰え、枯れ枝も目立ってきたたため、樹木医と相談。国に現状変更を申請し、枝の切除や剪定に踏み切った。隣接する田んぼの地権者から「枝で日陰になり稲が育たない」として枝の切除を求める要望もあり、田んぼの取得も検討したが、売買交渉はまとまらなかった。

 剪定作業では、柳と共に「田んぼに張り出した部分が枯れ始めている」として桜の太い枝も伐採。遊行柳の景観が大きく変わった。このため同町は作業前の遊行柳を掲載している町ホームページの「芦野・伊王野歴史めぐりガイドマップ」などの写真を切り替えることを決めた。今年度は職員が撮影。来年度はプロのカメラマンに依頼することも検討している。

 遊行柳は、時宗の遊行上人が柳の精霊を念仏で成仏させたという伝説に由来して名付けられた。能楽や謡曲の題材になり、松尾芭蕉は「おくのほそ道」の道中に訪ね、「田一枚植えて立ち去る柳かな」と詠んだ。

 写真愛好家からは伐採に対し、「ほかにやり方はなかったのか」と落胆の声も上がっているが、高久勝町長はフェイスブックで「樹勢回復と長寿命化を図るため剪定した。これでまた長くご覧いただける」と理解を求めている。(伊沢利幸)

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