里親・養子縁組写真展 家族のかたち、幸せはいろいろ

産経ニュース / 2018年2月14日 7時42分

小学生の里子の女の子ら家族と撮影に臨む斎藤直巨さん(右)と写真家の江連麻紀さん =東京都内

 里親や養子縁組家庭の日常生活を知ってもらおうと、写真展「フォスター」が3月、東京都内で開かれる。家族で食事をしたり、遊んだり…。自然な姿を捉えた写真からは、家族や親子にはさまざまな形があることが伝わってくる。(油原聡子)

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 写真展は、静岡大学の白井千晶教授(家族社会学)ら、子育て支援に取り組む3人の女性が企画した。「フォスター」は英語で「(血縁や法的親子関係でなくても)育てる、養育する」という意味。

 白井教授はこれまで里親や養子縁組に関する勉強会を続けてきたが、知識や制度は伝えられても、「里親・養子縁組家庭の空気感まではなかなか伝わらない」と感じていたという。

 そこで、普段の様子を知ってもらおうと写真展を企画した。撮影は、子供の意思確認はもちろん、児童相談所や実親などに許可を取りながら、慎重に進められたという。

 ◆よくある風景

 昨年9月から、プロジェクトのメンバーで写真家の江連麻紀さん(38)が、都内や長野県などの里親家庭や養子縁組家庭、5〜6人の子供を預かる「ファミリーホーム」を訪れ、撮影に臨んだ。食事風景、農作業、台所にいる母親にかまってほしそうにする子供…。江連さんのレンズは何げない日常を捉える。

 子供にカメラを渡して撮影してもらう企画では、ひょうきんな表情の里親など、家族にしか見せない一面も収められた。

 撮影には子供を養親に託した女性も協力。生みの親も取り上げることで、家族の形や幸せはさまざまなことが伝わってくる。

 江連さんは「どのご家族も、子供たちが生きやすくなるように普段の生活や対話を大事にされていました。そこに特別なものはなく、未来への希望を感じました」と話す。

 里親として、都内で小学生の女の子を育てている斎藤直巨(なおみ)さん(42)は、家族で撮影に参加。「里親は聖人君子のようなイメージを持たれることが多いのですが、普通に暮らしています。その『普通』が子供にとっても良いこと」と話す。「差別や偏見を恐れて、カミングアウトできない里親家庭は多い。写真展を通じて知ってもらい、里親家庭がありのままで受け入れられるようになれば」

 ◆身近に考えて

 家庭での養育が受けられなくなった子供が、里親やファミリーホームに委託される割合(里親等委託率)は、平成28年度末で18・3%(全年齢)。厚生労働省の有識者会議は、おおむね7年以内に未就学児の委託率を75%まで引き上げることを掲げている。

 白井教授は「里親や養子縁組は遠い出来事に思われがち。写真を通じて身近に考えるきっかけになれば」と話す。仮に里親としてではなくても、自分たちにできる関わり方を見つけるヒントにしてほしいと願う。

 写真展のお披露目イベントは3月5日午後2時から、板橋区立グリーンホール(東京都)で。参加費は2千円。申し込み・問い合わせはfoster.photo2017@gmail.comまで。写真展は今後、全国を巡回する予定。里親・ファミリーホーム・養子縁組家族からの写真も募集している。

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 ■「里親になってみたい」6%

 「里親になってみたい」と考えている人が、6.3%に上ることが日本財団(東京都港区)の調査で分かった。

 調査は昨年11月、全国の20〜60代の男女1万人を対象に実施した。それによると、「里親になってみたい」「どちらかというと里親になってみたい」との回答は計6.3%に上った。理由で最も多かったのが(複数回答)、「家庭を必要とする子供を助けたいから」で7割だった。

 一方で、里親について知っているか尋ねると、「名前を聞いたことがある程度」が41.2%、「全く知らない」が20.6%で、制度や現状が知られていないことが明らかになった。

産経ニュース

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