バス業界の運転手不足…「女性は“切り札”」 「スイーツ」初会合で意見交換

産経ニュース / 2018年4月17日 11時42分

第1回女性バス運転手の会に参加した女性バス運転手ら

 若者の車離れによる運転手不足への懸念などから、バス業界が“切り札”として女性運転手に注目している。女性がこの世界に多く参画するために解決すべき課題は何か。現役の女性バス運転手らが、スイーツとともに現状を語り合う「女性バス運転手の会」が開かれた。(石井健)

参入促すため

 東京・表参道のカフェを貸し切った会は、一般社団法人女性バス運転手協会(東京都港区)が開いた。全国の女性バス運転手らが顔を合わせる会合はこれが初めてで、首都圏のみならず大阪、九州などから23人の現役と10人の元運転手らが参加した。

 同協会は昨年9月、中嶋美恵(なかしま・みえ)代表理事(48)が設立。求人サイトを運営する会社の社長である中嶋さんは、バス業界から運転手不足の深刻な相談を受け、平成26年、バス運転手に特化した求人サイト「バスドライバーnavi(どらなび)」を開設。事業をこれ1本に絞った。

 「肌感覚ですが、話を聞く限り、バス運転手は慢性的に1割ほど不足している」と感じた中嶋さんが、着目したのが女性運転手。「人口の半分は女性ですから」。少子高齢化や若者の車離れを考えると、男性ばかりを見てはいられない。女性の参入を促すため同協会をつくった。

 公益社団法人日本バス協会の船戸裕司(ふなと・ひろし)常務理事(68)も「バス業界は、定年延長、再雇用が続いている状態。運転手はこれから、もっと足らなくなる。女性の活躍に期待している」と話す。

根本的な理解を

 会では、まず現役の5人が、バス運転手になった理由や現状を語った。

 たとえば、きみえさん(仮名)は、トラックの運転手から路線バスに転じた。利用していた路線バスの女性運転手が親切で憧れた。

 あゆみさん(同)は羽田空港で5年、荷物運び係を勤めたが、空港まで運転してくるきみえさんに刺激され、空港内のシャトルバス運転手を志願した。

 さらに、6つのテーブルに分かれ、お茶をしながら女性運転手がより活躍するために解決すべき課題、とるべき方策などを全員で語り合った。

 女性バス運転手協会のまとめでは、「女性がリラックスして働ける環境の整備」を求める声が多く挙がった。単に女性専用の設備を整えるだけでなく、「女性の受け入れについて会社が根本的な理解を深める必要がある」との指摘も。生理休暇が受理されない、産休・育休の制度がない、男性が多い職場でパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントを受けやすいなど忌憚(きたん)のない意見が出た。

 同協会は、今後、東京の他、大阪でも会を開く予定だ。

 ■新規参入で運転者増加だが

 日本バス協会が国土交通省のデータなどをまとめた「日本のバス事業」(平成28年版)によると、26年度の国内の「バス運転者数」(乗り合いバスと貸し切りバスの合計)は13万3320人で、集計を始めた昭和40年度の10万5492人に比べれば増えている。

 これは、平成12年の規制緩和で新規参入が相次いだ貸し切りバスの運転者が約3倍になったためで、乗り合いバスの運転者は昭和40年度より6ポイント減。

 一方、「満60歳以上」の高齢者が占める比率は17.3%(平成27年7月末日現在)。

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