【エッシャーと私】(4)ミュージシャン・山口一郎さん(サカナクション) バッハの旋律に重なる螺旋の絵

産経ニュース / 2018年6月14日 15時27分

「出会い」1944年 リトグラフ  All M.C.Escher works copyright ?The M.C.Escher Company  B.V.-Baarn-Holland.All rights reserved.www.mcescher.com

 僕は小学生の頃、画家である母の本棚をこっそり覗(のぞ)き見ることが好きでした。そこには、絵本とは違い、言葉のない絵だけの画集がたくさんあり、ただ浴びるようにそれらを見続けていたことを覚えています。

 その時に初めてエッシャーの作品と出会いました。絵の中で迷子になってしまったような、毒だけど美味(おい)しい果物のようなエッシャー独特の世界観に子供ながらびっくりして、この感覚を誰かに伝えたい!と衝動的に思ったことを忘れられません。今思うと、始まりも終わりもない螺旋(らせん)の様なエッシャーの絵は、新しい音楽の旋律と出会った感動に似ているなぁと思います。

 社交嫌いだったエッシャーの唯一の趣味が、バッハを聴くことだったと、今回の「ミラクル エッシャー展」で僕らの歌をイメージソングとして使うことになった経緯として初めて知り、バッハの繰り返され変化していく旋律と、エッシャーの絵の螺旋は、どこか共通しているような気がして、何だか腑(ふ)に落ちました。

 自分達の音楽がエッシャーの作品と、このような形で関われたことを本当に嬉(うれ)しく思います。

 「ミラクル エッシャー展」は7月29日まで、上野の森美術館(東京都台東区)。会期中無休。問い合わせは(電)03・5777・8600。

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