疑惑の韓国法相候補の人事聴聞会、開かれず 家族の証人出席めぐり与野対立 文大統領の任命強行で世論の反発必至

産経ニュース / 2019年9月2日 22時34分

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が法相に指名したチョ・グク前大統領府民情首席秘書官をめぐり、娘の大学不正入学疑惑などがくすぶる中、2、3両日に予定されたチョ氏の国会での聴聞会は開かれないことになった。野党はチョ氏の家族を証人として出席させるよう主張したが、与党側が反対したためだ。

 聴聞会が開かれなかったことを受けチョ氏は2日、記者会見し、疑惑について国民に謝罪しつつも「誤解を解くために会見に臨んだ」とし、自身の疑惑への関与を否定。「検察改革など果たさねばならない天命がある」と述べ、法相就任を認めるよう国民に訴えた。

 文氏は1日から東南アジアを歴訪中。聴聞会の有無に関わらず任命は可能で、文氏は12日までにチョ氏を法相に任命するとみられるが、強行すれば野党勢力や世論の反発が一層強まり、文氏の政権運営が厳しくなることは不可避だ。

 世論調査会社、リアルメーターが2日に発表した調査結果(8月30日)によると、チョ氏の法相任命に反対する回答は54・3%で、賛成は42・3%だった。

 チョ氏は2017年の文在寅政権の発足当初から大統領府で、世論動向の把握や公職・社会綱紀、法律問題、請願などの業務を担う民情首席秘書官を務め、先月上旬、法相に指名された。朴槿恵(パク・クネ)・李明博(イ・ミョンバク)両保守政権時代の不正追及や司法改革を進め、文氏の信任が特に厚い側近だ。

 1993年に、急進的な左翼組織「南韓社会主義労働者連盟」傘下の「南韓社会主義科学院」が社会主義革命を目指した事件に関与したとして、国家保安法違反で5カ月間、拘束。2000年以降は、革新系市民団体「参与連帯」で司法監視センター所長や、民主化運動に関わった人々の名誉回復、補償の審議委員会で諮問委員などを務めた。

 日本による韓国への輸出管理厳格化の後、チョ氏は日本に加え、保守系の政治家やメディアを「親日」「売国」などとネットで非難。チョ氏が「次期大統領の候補になるのも可能」(金大中=キム・デジュン=元大統領の側近だった朴智元=パク・チウォン議員)との見方もある。

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