韓国大統領府に蔚山市長選介入疑惑 チョ・グク前法相関与の疑いも

産経ニュース / 2019年12月3日 17時19分

 【ソウル=名村隆寛】昨年6月の韓国統一地方選の際、南東部の蔚山(ウルサン)市長選に大統領府が介入した疑惑が出ている。大統領府は疑惑を否定しているが、親族の不正疑惑で10月に退任したチョ・グク前法相の関与もちらついている。

 市長選は、当時市長で保守系のキム・ギヒョン氏と左派の与党系の宋哲鎬氏(ソン・チョルホ)の一騎打ちで、宋氏が当選した。宋氏は人権派弁護士で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と親交があり、2012年の国会議員選挙に宋氏が出馬した際の後援会長はチョ氏だった。

 市長選は当初、金氏が優勢で世論調査の支持率で宋氏に15ポイントの差をつけた。宋氏の逆転当選の背景には金氏の側近らによる業者への不正疑惑があり、昨年3月に警察は捜索を始め5月に側近らを送検した。

 チョ氏は当時の大統領府民情首席秘書官。民情首席室が警察に疑惑を伝え捜査が始まったとの情報が先月末、韓国紙に報じられた。大統領府からの「下命」によって、文在寅政権に近い宋氏が土壇場で当選を決めたとの疑惑だ。

 盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長は情報を伝えたことは認めたが、「下命疑惑」を否定している。検察は越権行為の可能性があるとみて捜査。当時、検察から民情首席秘書官室に出向していた元行政官を1日、参考人として事情聴取しようとしたが、この人物は同日、ソウル市内で遺書を残し遺体で発見された。大統領府は自殺した元行政官が昨年1月に蔚山に出張したことを認める一方で、疑惑や捜査との関係を否定している。

 市長選で敗れた金氏は選挙無効を求め提訴する意志を表明。保守系最大野党の自由韓国党は疑惑解明を訴え、文政権に攻勢をかけている。韓国では来年4月に総選挙が控えており、チョ氏がからむ疑惑が選挙結果を左右する可能性もある。

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