降格された金与正氏が韓国非難
産経ニュース / 2021年1月13日 9時40分
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の平壌で5日から開かれていた第8回朝鮮労働党大会は12日に閉幕した。朝鮮中央通信が13日に報じた。総書記に就任した金正恩(キム・ジョンウン)氏は「核戦争抑止力をさらに強化し、最強の軍事力を育てることに全てを尽くすべきだ」と演説し、軍備増強を改めて宣言した。
国会に当たる最高人民会議の17日招集も決まった。北朝鮮は今月下旬の開催を予告していたが、米国でバイデン新政権が発足する20日以前に前倒しした。国家トップとしての正恩氏の肩書が国務委員長から変わるのかが焦点だ。
一方、正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は12日付の談話で、北朝鮮が10日深夜に軍事パレードを行った動きを捕捉して精密に追跡中とした韓国軍の11日の発表を「同族への敵意ある見方」を露呈させたと非難し、軍事パレードが「怖くて震えているようだ」と韓国を皮肉った。
祝賀行事を予定しているとしており、最新兵器を動員したパレードを決行するかどうかが注目される。
談話の肩書から与正氏がこれまでの党第1副部長から副部長に降格されたことが判明。与正氏は党執行部の一員である政治局員候補から中央委員に降格されており、肩書が下がったものの、今回の談話は依然として、対韓国政策を統括していることを示している。
指導部の人事では、金英哲(キム・ヨンチョル)前党副委員長ら米韓との交渉を担った他の高官も軒並み降格されており、米朝首脳再会談の物別れ以降の対米韓外交の停滞が影響している可能性がある。
副委員長から党書記に名称を変えた部門別の統括職でも外交や対韓担当を置かなかった。対米韓外交の失敗や新型コロナウイルス対応による難局から当面、内向きの政策に比重を置く布陣とも読み取れる。対米外交も与正氏が低い肩書のまま担う可能性もある。
韓国世宗(セジョン)研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は、建国の父である金日成(キム・イルソン)主席の血をひく与正氏は「他の幹部を優越した身分で、実際の職責をはるかに上回る影響力を持つ」と分析。肩書は「正恩氏の決定一つでいつでも上げられる」と指摘した。
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