浜松医科大との再編めぐり静大で役員会…「1大学2校」案を正式案と発表 なぜ合意書と異なる案を選択か?
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2023年12月21日 17時45分
静岡大学と浜松医科大学の再編をめぐり、21日、静岡大学は役員会を開き、合意書の内容と異なる「1大学2校」案を正式案とすると発表しました。静岡大学はなぜ合意とは違う案を選んだのでしょうか?
静岡大学と浜松医科大学の再編をめぐっては、2019年に、2つの法人を1つに統合した上で静岡と浜松に新たな大学をつくる「1法人2大学」案で合意書を交わしています。
「1法人2大学」とは、静岡大学の工学部などがある「浜松キャンパス」と「浜松医大」を合わせて、全国でも珍しい”医工連携”の「浜松地区の大学」をつくり、静岡大学の静岡キャンパスを「静岡地区の大学」とするものです。
しかし、この案について静岡大学の静岡キャンパス側からは、学部が減ることから「魅力」が低下するなどの反対意見が続出したほか、国や行政からも統合や再編のメリットがないと指摘され、再編は無期限で延期に。さらに、2023年2月には、静岡大学の日詰学長が、私案として“合意書とは異なる”2つの大学を1つに統合する「1大学2校」案を発表し、静岡大学は、この案を正式案にするため調整を進めていました。
こうした中、19日に約3か月ぶりに両校の学長などが出席した「連携協議会」が開催されました。協議会の中では、静岡大学があらためて「1大学2校」案を説明しましたが、浜松医大は、合意書の通り「1法人2大学」案を進めていくことを求め、議論は平行線をたどりました。
(浜松医科大学 今野 弘之 学長)
「本来の合意書に沿った再編案の方が、1大学2校案よりも自立性、機動性の面から優れていると申し上げた」
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「改めて1大学2校案について報告して説明した。意見交換はあったが、難しいと感じた」
そして、21日、静岡大学は役員会を開き、“合意書とは異なる”2つの大学を1つに統合する「1大学2校」案を、静岡大学の正式案とすることを決めました。
静岡大学は会見を開き、合意書とは異なる「1大学2校」案を決めた理由について説明しました。
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「1つの大学の中に多様な英知を結集することで、教育研究においては他分野が融合し、学生の総合値を育むこと」
日詰学長は「総合大学を2つに分けることは、静岡大学を預かる学長として望むものではない」との見解を示し、両大学が新たに生まれ変わり、1つの総合大学として教育研究の視野を広げ、発展させていくことが重要だと説明しました。また、合意書とは異なる案を正式決定したことについては「これをもって合意書の白紙とするものではない」と話しました。
(静岡大学 日詰 一幸 学長)
「現行の法人統合、再編のまま遂行することが難しいということから、本ビジョンをもとに、浜松医科大学においても、柔軟に協議していただくことをこころから願っています」
今回の案はあくまで歩み寄りの案だと主張し、今後は学長同士での検討や、「連携協議会」での協議を求めるとしています。
(スタジオ解説)
静岡大学と浜松医科大学の再編をめぐっては、2019年に運営法人を1つに統合した上で「浜松地区の大学」と「静岡地区の大学」の2つに再編する「1法人 2大学」案で両者は合意していました。
一方、静岡大学が21日に正式案とした「1大学 2校案」は、静大と浜松医大を統合して県を代表する1つの総合大学として運営する案です。2つの案の違いは、大きく言うと「地域ごとに特色ある大学に分けるのか」「県を代表する総合大学」として運営していくかです。
静岡大学は「1大学2校案」を選んだ理由として、国立大学として目指すべき姿は一部のエリアの利益に留まらず「オール静岡」で地域課題を解決していくことであり、そのためには大学を分けるのではなく、1つの総合大学である必要があると主張しています。
静岡大学が正式案とした「1大学2校案」は2019年の合意書とは違う形なんですが、静岡大学は「合意書を白紙とするものではない」としています。また静岡大学は合意の中には「問題があった時には両者で協議をしましょう」という条項があるため、浜松医科大と「1大学2校案」について協議していきたい考えです
一方、浜松医科大学の今野学長は先日「合意した再編案(1法人2大学)の方が、1大学2校案のよりも自立性、機動性の面から優れている」と話し、静岡大学側の案に反発していて、今後両者の協議がどのように進むのか注目されます。
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