能登地震“支援会議”を欠席して“賀詞交歓会”に出席した川勝知事 “会議に間に合ったのでは”と新たな指摘 “馳知事への事前電話”には批判も(静岡県)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年1月12日 16時58分
能登半島地震での支援などを話し合う会議に出席せず「賀詞交換会」に参加していたことが波紋を広げている川勝知事。県民からも疑問の声があがるなか、“会議を欠席したこと以外”の新たな問題も指摘されています。
12日、静岡県は能登半島地震への支援状況や、現地で応援に入っていた職員の活動報告を共有し、今後の対応を協議する会議を開いています。
全国の自治体で被災地を支援する動きが進む中、いま波紋を呼んでいるのが川勝知事の対応についてです。
(4日 川勝知事)
「本県もひとごとではなく、発生の直後から情報収集や職員の派遣、食料の提供などをしている」
1月4日の県の仕事始めの式で、職員に対しこう語った川勝知事。
同じ日の記者会見でも「必要に応じて追加の人的、物的支援を全力で行う」と支援を強化する考えを示しましたが…
その数時間後に行われた、能登半島地震への災害支援などを話し合う中部・北陸9県と名古屋市とのオンラインでの連絡会議に、川勝知事の姿はありませんでした。
オンライン会議には、被災した石川県の馳知事をはじめ、静岡県以外は全て知事や市長が出席していましたが、県からは知事の代理として危機管理監が参加。川勝知事は地元メディア主催の「賀詞交歓会」に出席していました。
知事の対応について、静岡県議会の自民・公明の両会派は11日、「危機管理を預かるトップの判断として、きわめて不適切」であると申し入れをしました。
(自民党改革会議 増田 享大 代表)
「言葉だけでなく行動と姿勢で範を示していただくよう申し入れさせていただきます」
(川勝知事)
「被災者支援第一で、全力を尽くします」
「全力を尽くす」と、申し入れ書を受け取った川勝知事。その後、真意を聞こうと直撃するも・・
(川勝知事)
Q:申し入れの受け止めは?
「・・・・・・」
答えることはありませんでした。
今回の問題については県民からも疑問の声が。
(30代)
「新年のあいさつで地震についてコメントしていたので、出席しないのはいかがなものかなと」
(70代)
「出席するべきだと思う。県知事が行くのは意味が違う」
(20代)
「静岡がもし何かあってもお互い助け合ったりできる、そこが残念」
川勝知事は2022年、県内に大きな被害をもたらした台風15号の際にも「市町から要請を待っていた」として、自衛隊への災害派遣要請が被災から3日後になるなど、「災害対応」に批判が集まったこともありました。
今回は“会議を欠席したこと以外”の問題点も指摘されています。
11日、申し入れをした公明党県議団の蓮池団長が批判したのは「会議前に石川県の馳知事に電話をした」ことについて。
(公明党県議団 蓮池 章平 団長)
「現地は大変な状況。そこに指揮官に直接連絡を何度も何度も取られる」
(川勝知事)
「1回しかしていないです」
蓮池団長は「石川県が対応に追われる状況で知事にたびたび電話をかけるのは 配慮が欠けているのではないか」と指摘しましたが、川勝知事は「1度しか電話していない」と否定し、県も「事前に秘書間で両知事が電話する時間を調整し、川勝知事からは 1度しか電話していない」と話しています。
また自民・公明の両会派は「知事個人の問題ではなく、県全体の問題」と厳しい姿勢を見せています。
(公明党県議団 蓮池 章平 団長)
「知事の危機管理意識は重要ですが、県当局のアドバイスや指摘はなかったのか。非常に残念でならない」
(自民党改革会議 増田 享大 代表)
「被災された県に対して欠席など、礼を欠くようなところも散見された。しっかり正していかないといけない、今後の知事の姿勢はしっかりと注視していく」
これまでも、熱海市の土石流災害や、2022年の台風15号などで他県から支援を受けてた静岡県、その「トップ」としての姿勢が問われています。
【解説:そもそも知事が欠席した会議とは?】
今回、川勝知事が欠席した 会議の名称は「中部9県1市災害時等応援協定にかかる連絡会議」といいます。
北陸を含む中部9県と名古屋市では、災害時、互いを応援するため協定を結んでいて、物資や人員派遣などの調整を行うため、4日にオンラインで開催されました。
会議の中では、冒頭、石川県の馳知事から「石川県を助けてください」と各県への呼びかけがあり、各県の知事からも発言がありました。
三重県知事からは「自治体が現場でどのように重複することなく支援できるのか相談したい」
富山県知事からは被災地として「今後ブルーシートや毛布などが足りなくなる」などの発言がありましたが、代理出席の静岡県は発言をする機会がありませんでした。
知事の欠席について、元県職員で地方行政に詳しい静岡産業大学の小泉祐一郎教授は「(静岡県は、南海トラフ巨大地震などが懸念され)今後、各県に助けてもらう可能性のある立場であるのに、知事が出席しないのは問題。(石川県には電話をしたというが)石川県以外にも方針を説明できないのはおかしいのではないか」と話しています。
知事の言動をめぐっては、これまでは「コシヒカリ発言」など知事「個人の問題」が大きい面がありましたが、今回は「組織的な問題」ではないかとも指摘しています。「誰も知事を止めることができなかったのか、事務方にも問題があるのでは」と話していました。
会議の欠席について県は「地震の会議と賀詞交歓会はどちらも大事で知事が判断した」と話していますが、「賀詞交歓会」は午後4時半から静岡駅前のホテルで始まり、地震のオンライン会議は午後5時から行われていました。
賀詞交歓会では4時45分頃から知事が挨拶をしていて、そのあと10分もあれば、会場から県庁まで移動することもできたはずで、「地震の会議にも出席できたのではないか?」「本当に地震の会議を重要だと思っていたのか?」と指摘する声も上がっています。
これに対して県では「賀詞交歓会では主催したテレビ局からのインタビューの依頼もあり、会議には間に合わなかった」と話しています。
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