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【リニア】“ボーリング調査” で見解相違の静岡県と流域市町…島田市長「早期実施は総意」と改めて強調

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年2月28日 17時14分

Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

リニア問題をめぐり、ボーリング調査について見解が分かれる県と流域市町。島田市の染谷市長は、28日の会見で、ボーリング調査の早期実施は流域市町の総意であると改めて強調しました。

2月25日に行われた、リニア工事をめぐるJRと大井川流域市町の意見交換会。この中で流域市町が要望したのが、ボーリング調査の早期実施でした。

(島田市 染谷市長)

「ボーリング調査について、早く着実に進めてほしい。流域市町の総意です」

ボーリング調査は、工事区間の地質や地下水について調べるため、先端が直径12センチの穴を掘るもので、調査は、山梨県から静岡県境に向けて行なわれますが、県は県境付近にある「もろい地質」が山梨側とつながっていて、穴を掘れば「水が流れ出る可能性がある」と指摘。県境300メートル以内の調査はしないよう求めています。

この県の主張に対し、流域市町は、田代ダムが2月から改修工事に入り、大井川から山梨県側に取水されなくなることから、例年より水量が保たれる2025年11月までの工事期間内にボーリング調査を実施すべきとの見解を示しました。

(島田市 染谷市長)

「県はボーリング調査で流れてしまう水は、測量して、その量を戻すよう言っている。来年11月までの間、全く取水しないのであれば、ボーリング調査をやって流れてしまう水があるとしても、それ以上の水が大井川に戻っているのであれば、後で返す必要はない」

流域市町が“総意”として要望したボーリング調査の早期実施について、26日、川勝知事は…

(静岡県 川勝知事)

「利水協議会に入っているのは 10市町ありますので、(流域市町の)総意と言われているが、一つ一つ確かめる必要がある。どのくらい水が出るか分からないので、監視体制は明確にならないといけない」

「流域市町1つ1つに意見を確かめる必要がある」などと話し、慎重な姿勢を崩しませんでした。

この知事の発言に対し、28日、島田市の染谷市長は「ボーリング調査の早期実施は流域市町の総意」と改めて強調しました。

(島田市 染谷市長)

「(25日の)意見交換の最後に皆さんの総意でよろしいでしょうかと確認をとって話をしたことなので、少なくとも流域の首長は同じ意見だとお伝えしたい。きっとなにか食い違いがあるなと思っている」

一方、静岡市の難波市長も「田代ダムの工事期間中にボーリング調査を行うべき」とする流域市町の見解に理解を示しました。

(静岡市 難波市長)

「1つの考え。(田代ダム工事中の調査は)影響を回避しやすいので、その間にやったらどうですが、というのはその通り。工事期間中は影響が少ないので、その間にやるべきという提言だと思うし、そういう提言であれば適切」

リニア工事に必要なボーリング調査を進めるべきと主張する流域市町に対し、慎重な姿勢を崩さない県。リニア問題をめぐっては、29日に国がJR東海の環境保全策について確認するための新たな有識者会議を立ち上げる予定で、どのような進展があるのか注目されます。

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