【衝撃】前夜突然に辞意表明の川勝知事…緊急会見での理由説明に至るまでの経緯を振り返る(静岡県)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年4月3日 18時10分
2日 夜、辞職を表明した静岡・川勝知事。3日 午後3時半から緊急会見を開き、謝罪しました。
(川勝知事)
「職員への激励の言葉の中に、人の心を傷つけるものがあった。厳しく受け止めています。心からおわびをいたします。申し訳ありませんでした」
事態が急変したのは2日 夜6時。
(川勝知事)
「よく考えたんですけど…準備もありますからねぇ…6月の議会を持ってこの職を辞そうと思っております…以上です」
突然、辞職を表明し、その場を足早に立ち去った川勝知事。きっかけとなったのは、1日、県庁で行われた新入職員にむけた訓示でした。
(川勝知事)
「県庁っていうのは別の言葉で言うとシンクタンク(=”頭脳集団”)毎日毎日 野菜を売ったり牛の世話をしたりモノを作ったりとかと違って基本的に皆様方は頭脳・知性が高い方たちそれを磨く必要がある」
野菜の販売や酪農家などに対して”職業差別”ともとれる不適切な発言をし、県庁には、3日までに1400件ほどの苦情が殺到したのです。知事の不適切な発言は、これまで幾度となく問題となったことがありました。3年前には…。
(川勝知事)
「あちら(御殿場)はコシヒカリしかない!飯だけ食ってそれで農業だと思っている!」
御殿場市を批判するような”コシヒカリ”発言。この時も県庁に苦情の問い合わせが相次ぎ、県議会で初めて、「辞職勧告決議」が可決されたほか、その後の対応が問題視され、知事に対して50年ぶりに不信任案が提出される事態に。
当時、川勝知事は。
(2023年7月・川勝知事)
「(これまで)間違いをすることはあったと思うが今後間違いをして人様に迷惑をかければ辞職する」
「また不適切な発言をすれば辞職する覚悟」と話したのです。しかし、その後も問題視される発言は続きます。3月には磐田市の女子サッカーチームから表敬訪問を受けた際、「磐田は浜松より文化が高い」などと発言して問題となったばかりでした。そんな中、新年度初日の今回の不適切発言。2日 夜6時、発言の真意について記者の取材に応じたのです。
(川勝知事)
「職業差別は皆無です」「新規職員として入庁された方々での歓迎の言葉がこんなことになったというか問題発言があった状況になって本当に驚いた」「農業やってるとか商売やってるとか物作りされている方と違う仕事ですから従ってしっかり知性を磨いてくださいとそういう意味」
(記者)
Q.「受け取る人は間違いなく職業差別と思う我々の受け取り方が悪い?」
(川勝知事)
「とんでもありません。どのような職業に対しても違いはある 職分が違う職の貴賤はないのが基本的な考え方」
(記者)
Q.「そういう流れではなかった?」
(川勝知事)
「そういう風に考えを持っておりますので」
(記者)
Q.「そういう考えがあるならその場で説明すべきとこれまで指摘されている」
(川勝知事)
「言葉が不十分であったということかもしれません」「それを聞いた新規職員が職業差別をしたと捉えたとは到底思えない」
(記者)
Q.「ではこの発言は不適切ではないと?」
(川勝知事)
「不適切ではないと思いますが、一部そこのとこだけ取れば職業差別に落とし込むというふうなことができる発言だったかも」
質問に対して、一貫して”職業差別ではない”一部を切り取られたことで、自分の意図と違う形で伝わってしまったと説明。さらに記者が訓示のメモを読み上げると…。
(記者)
「(訓示内容読み上げ)… そういうことと 違って」
(川勝知事)
「という職業と違いますということですね」
(記者)
Q.「それを聞いた県民からは農業畜産は知性が低いということですか?おごった考えですねという声が多数届いたということです。」
(川勝知事)
「それは読売新聞の報道のせいだと思っています」
(記者)
Q.「知事の言われ発言をそのまま切り取ることなくお伝えしたうえで県民はそのように捉えていると思うんですけども」
(川勝知事)
「切り取られたんだと思いますね」
そして、会見開始から14分後、今後の対応を問われると、突然…!!
(川勝知事)
「どうしたらいいかなと思っていましてよく考えたんですけど、準備もありますからね…。6月の議会をもってこの職を辞そうと思っております。以上です」
2025年7月の任期満了を待たず辞職すると表明し足早に立ち去ったのです。だれもが予想だにしなかった知事の辞職表明に県民は…。
(静岡県民)
「えっ そうなんですか?知らなかった」「びっくりしました」
(静岡県民)
「本当にやめるんですかね?撤回とかありそう」
森町でトウモロコシ畑を営む鈴木農園の鈴木弥さんです。過去に知事と直接話すこともあったといいますが…。
(遠州森 鈴木農園 鈴木 弥さん)
「(県の)トップが発言することじゃない。ましてや新任の職員の前であのようなことを言われると県の職員と話すときに最初からそういった風に見られているのかなと思ってしまう」「これで辞任するということでひき時ではないか」
川勝県政のもと、長年、副知事を勤めていた静岡市の難波市長は…。
(難波市長)
「報道が切り取って報道したわけではなく、あれは発言そのものだと思う。発言自体は極めて不適切ですね、ありえないレベルだと思う。いつ辞められるのか、その間を県政運営をされていくのかを明確にしていただくというのがきわめて重要だと思う」
長年知事を応援してきた自動車メーカー「スズキ」の鈴木修相談役は…。
事前に相談はなく突然の辞任だった。本人の意思を尊重してほしいとコメントしました。
突然の辞職表明に県議会にも激震が走りました。
一夜明け県庁に現れた川勝知事。向かったのは県議会の議長室。15分ほど議長と面会しました。
(記者)
Q.「議長にどのようにご説明されたんですか?」
議長に対して辞職する時期について話したといいます。
(静岡県議会 中沢 公彦 議長)
「6月定例会の開会日に辞めたいといっていた。定例会の一般質問、代表質問、委員会の審議などは新しい知事の下でやっていただきたいという話」「辞める理由は職業差別にまつわる不適切発言が理由ではなさそうですよ」
さらに向かったのは県議会で知事を支えてきた「ふじのくに県民クラブ」面会の後の会見では…。
(ふじのくに県民クラブ 田口 章 会長)
「知事からはこれまでの発言でご迷惑をかけたと、お話がありました。そのうえで、今回の辞意表明に至った理由につきまして、数点あげていたのですが、最も大きかったのはリニアのことであったと思います」
(記者)
Q.「任期途中の辞職にはつながらない、リニアの延期で辞職には違和感」
(ふじのくに県民クラブ 田内 浩之 政調会長)
「ご自身の発言等々で県政を混乱させてしまったということに関しては、それも理由だということで、おっしゃっていました」
一方、知事と対立してきた県議会最大会派の自民改革会議は…。
(自民改革会議 増田 享大 代表)
「県民の皆様の職業を差別するような発言だった。とてもひどい発言だという感じ」「対決姿勢がクローズアップされいた県の緊急事態であると思うので、大同団結じゃないですけどオール静岡で新しい静岡を作れるような機運が醸成できればいい」
そして、3日 午後2時から役員会を開き、今後の対応を協議しました。
そして川勝知事は午後3時半、会見に臨みました。辞職を表明した理由とは―。
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